2007年2月24日(土)「しんぶん赤旗」
公明党はなぜ「増税戦犯」とよばれるのか
公明新聞二十三日付は、「『増税戦犯』は共産党が意図的につくり出した笑止千万のデマ」などという「編集メモ」を掲載しました。
言いだしっぺ
「増税戦犯」という指摘は、一般紙が言い出した言葉です。東京新聞(二〇〇四年十二月十六日付)は、〇五年度予算での税制協議で「協議をぶちこわしたと自民党から宣伝される」ことより、「増税の戦犯となる」ことを選んだてん末を紹介しました。その記事でも、「うちが言いだしっぺだから」(公明党メンバー)と発言しているように、自ら自覚していた「増税戦犯」を、いまさら「デマ宣伝」といっても選挙目当ての言い訳にすぎません。
公明党は〇三年総選挙での「マニフェスト」(政権公約)で「基礎年金の国庫負担割合の段階的引き上げ」を「理由」に、「所得税の定率減税及び年金課税の見直し」を掲げ、定率減税の廃止という増税と年金増税を提案したのです。総選挙後、自民党も公明党に同調して、与党の「税制改正大綱」に盛り込まれ、翌年の国会には増税法案提出に至りました。
〇四年の国会では年金生活者への課税を緩和する「公的年金等控除」縮小、「老年者控除」の廃止が決められ、年金は一円も増えないのに税金だけが増えることになりました。
〇五年には「住民税の高齢者の非課税措置」(所得が百二十五万円以下)を廃止。また、所得税・住民税の定率減税を半減。〇六年には全廃しました。
昨年六月、多くの高齢者が納税通知書をみて驚いたのは、〇四年の二つの年金課税が実施されたからです。しかも、住民税額と連動して決められる国民健康保険料や介護保険料もこれらの増税によって連動して増額。「雪だるま増税」という事態を引き起こし、庶民の悲鳴につながったのです。
公明党は、こうした大増税路線を政党として一番初めに言いだしたのですから、「増税戦犯」といわれるのは当然です。
「編集メモ」は、こうした「増税戦犯」ぶりを反省するどころか、「定率減税をただ廃止するのではなく国民に還元する道筋をつけた」と居直っています。しかし、増税の方はすべて実施されたのに、「国民への還元」と主張する基礎年金の国庫負担は〇七年度予算案を含めてもまだ五千億円しか増えていません。「不足」は消費税増税でという議論さえ強まりを見せています。
大企業は減税
「編集メモ」は、庶民増税に一貫して反対してきた日本共産党に対し、「最後まで定率減税法案に大反対した」などと「難クセ」をつけています。しかし、定率減税は定額方式という特別減税に代わるものとして導入されましたが、定額方式に比べると、中低所得者では逆に増税になる仕組みでした。しかも、所得税の最高税率引き下げという金持ち減税と大企業優遇の法人税減税と抱き合わせでした。これに、日本共産党が反対したのは当然のことでした。
逆に、定率減税の方は廃止しておきながら、企業減税・金持ち減税はそのまま温存する公明党の姿勢こそ大問題です。(K)