2007年2月27日(火)「しんぶん赤旗」
深夜業免除申請者の仕事奪う
厚労省は改善指導を
日本航空
客室乗務員ら要請
「日本航空の深夜業免除裁判を勝利する会」は二十六日、日本航空インターナショナルが育児・介護休業法に基づく深夜業務の免除申請をした客室乗務員から仕事をとりあげている問題で、厚生労働省に実態調査や改善指導を要請しました。
育児・介護休業法では、小学校就学前の子どもを育てている労働者が申請した場合、午後十時から午前五時までの深夜勤務を免除することになっています。しかし、日本航空は免除と引き換えに申請者に月に一、二日の仕事しか与えていません。客室乗務員四人がとりあげられた仕事分の賃金支払いを求めて東京地裁に提訴。三月二十六日に判決を迎えます。
弁護団の安原幸彦弁護士が裁判の概要を説明。日本航空のやり方は家庭生活か職業生活かのどちらを選ぶのか“踏み絵”を踏ませているものとのべ、こうした制度運用に対する指導はできるはずだと求めました。
(1)日本航空の免除制度の運用実態について立ち入り調査をすること(2)「無給日制度」の廃止や運用改善の指導(3)「少子化対策は企業の社会的責任」との企業倫理の徹底を指導すること―との要請書を手渡しました。
原告の村中佳美さん(46)は「経済的問題と精神的ストレスから、フルタイムで働くことをあきらめ、パートで働いています。法律があるのに、なぜ働きたいという女性から仕事を奪うのか」と訴えました。
原告以外の申請者からも「日本エアシステムでは月二十日の昼間のフライトがあったのに、日本航空との統合後、昼間の仕事がなくなったわけではないのに、月一、二日の勤務になった。夫は夜勤だけの勤務なので深夜業務は不可能」など訴えがありました。
応対した厚労省の職業家庭両立課長は「法律は、深夜業のかわりに昼間の勤務につかせるよう事業主に義務が生じるものでない」としました。
安原弁護士は「家庭生活と職業生活の両立をはかるとした育児・介護休業法に反する事態が現実に生じているではないか。行政として放置していいのか」とただしました。
日本共産党の吉川春子参院議員、社民党の福島瑞穂党首が同席しました。