2007年2月28日(水)「しんぶん赤旗」
科学的社会主義はテロをどうみているの?
〈問い〉 テロリズムについて、科学的社会主義の理論では、社会進歩の運動を妨害するものとして批判されていると聞きましたが、本当ですか?(大阪・一読者)
〈答え〉 科学的社会主義は、人民大衆の力こそが歴史をつくり社会進歩をおしすすめるという考え方に立っています。ですから、社会変革の事業はその国の人民の政治的自覚と、それを基礎にした人民自身の意思と行動によっておこなわれるものであり、暴力やテロで政治や社会の変革が実現できるという考えは科学的社会主義とはまったく無縁です。
たとえばレーニンは、「たとえツァーリ(当時のロシアの皇帝)の暗殺が百回ほどおこなわれようと、何万人という働く人民がたんに彼らの切実な利害やこれらの利害と政治との結びつきを討議する集会に参加するほどの…効果をあげることはけっしてできない」と述べています。レーニンが指導したロシア社会民主労働党第2回大会は、「政治闘争の方法としてのテロル、すなわち個人的な政治的暗殺の方法を、断固として否認する」と決議しました。
日本共産党は、1975年1月の中央委員会で、当時大きな問題となっていた「過激派」による爆弾テロと、暴力集団の「内ゲバ」テロ、右翼暴力団によるわが党幹部をねらったテロ事件、「部落解放同盟」の暴力を含めた「四つの暴力全体に反対する」ことを明らかにしました。また、1980年代に北朝鮮が起こしたラングーン事件などの一連のテロ行為に対して、「テロや暗殺などは社会主義、共産主義とは無縁のもの」と厳しく批判しました。01年9月の同時多発テロ事件に対しては、国連憲章にもとづく国連を中心にした措置によって容疑者を拘束し“法にもとづく裁き”を受けさせるよう主張して、アメリカによる報復戦争に反対しました。
日本共産党のこの立場は、党綱領の第4章12節にも「一般市民を犠牲にする無差別テロにも報復戦争にも反対し、テロの根絶のための国際的な世論と共同行動を発展させる」と明記されています。(哲)
〔2007・2・28(水)〕