2007年3月1日(木)「しんぶん赤旗」
温暖化防止
二酸化炭素60%削減へ
ロンドン 2025年までに
【ロンドン=岡崎衆史】欧州最大の都市ロンドンが地球温暖化防止に向け、本腰を入れて取り組む姿勢を示しました。リビングストン市長は二十七日、ロンドン市の二酸化炭素の排出量を二〇二五年までに一九九〇年比で60%削減するための行動計画を発表しました。
一般家庭や企業、交通機関の省エネや効率化などを通じて実現を目指すもので、家屋の改修のための資金援助実施など、斬新な対策を打ち出しました。市長は英政府に対しても、包括的な対策実施を急ぐよう訴えました。行動計画実施のための予算は今後三年間で七千八百万ポンド(約百八十億円)です。
リビングストン市長は、地球温暖化対策のため効率的エネルギー使用によって「(二酸化炭素)排出量を削減しながら、ロンドン市民にお金を戻すことになる」と発言。温暖化対策を進めることでエネルギーの無駄遣いがなくなり、市民のふところも潤うことになると訴えました。
行動計画は、家庭の省エネのため保温効果を上げる家屋の外壁や屋根の改修に市当局が資金援助し、失業家庭は無料とします。
企業や公共部門での夜間の照明やコンピューター等の電源を切ることを奨励。ドライバーに停車中のアイドリングをやめ、エンジンを停止するよう勧めています。
ロンドン市の新温暖化対策について、英国の環境団体は歓迎を表明。「フレンズ・オブ・アース」のジュピター会長は「リビングストン氏の気候変動対策での継続的な政治的リーダーシップに脱帽だ。政府は今こそ市長に続かなければならない」と述べました。