2007年3月2日(金)「しんぶん赤旗」
独環境相
風力などエネルギー供給増
原発を廃止 雇用創出へ
【ベルリン=中村美弥子】ドイツのガブリエル環境相は二月二十七日、風力や太陽光、バイオマスなど再生可能エネルギーの供給量を高めることで、原子力発電の代替となりうるとの考えを示しました。地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO 2)などの温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーの拡大は可能であり、新たな雇用を創出することになると強調しました。
ガブリエル環境相は、〇六年にエネルギー総供給量の5・3%を占めている再生可能エネルギーの供給量を二〇二〇年までに16%に引き上げると表明。「原子力発電の段階的廃止と並行して温室効果ガスの削減目標を達成できる」と語り、原発の代替として再生可能エネルギーの拡大に力を入れると強調しました。
〇六年のドイツのエネルギー総供給量に占める再生可能エネルギーの割合は、前年より12・8%増。再生可能エネルギーによる発電は、全体の11・8%を占めました。
同環境相は、再生可能エネルギーに重点を移すことは雇用創出効果があると発言。〇四年以来、この分野で新たに五万人の雇用が生まれたとの統計を紹介しました。
ドイツ政府はシュレーダー前政権下の二〇〇一年に政府と電力業界が二〇年までに原発を廃止することで合意し、その後法制化。〇五年十一月に結ばれたキリスト教民主・社会同盟と社会民主党の連立政権合意で、国内に十七基ある原子力発電所を二〇年までに段階的に廃止することを改めて確認しました。