2007年3月3日(土)「しんぶん赤旗」
与党が予算案強行採決
衆院委
18年ぶりの暴挙
共産党は強く抗議 「議論尽くしていない」
深夜に本会議
自民、公明両党は二日午後、与野党合意のないまま開会された衆院予算委員会で、二〇〇七年度予算案の採決を強行しました。続けて衆院本会議の開会も強行、衆院通過をはかる構えで、三日未明までもつれこみました。与党が一方的に予算案を強行採決したのは一九八九年以来。日本共産党など野党側が求めていた徹底審議の声を踏みにじり、“採決先にありき”で数の力の暴走を重ねたものです。
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与党側は、予算案関連の所得税法改悪案などを審議する衆院財務金融委員会と、地方交付税法改悪案などを審議する衆院総務委員会も、それぞれ委員長の職権で開会、採決を強行しました。三委員会も委員長職権で強行されたのは例がありません。野党側は、一方的な審議・採決に抗議し、金子一義予算委員長、佐藤勉総務委員長、伊藤達也財務金融委員長の解任決議案を提出しました。
予算委では、金子委員長が一方的に質疑終局を宣言、委員長席に与野党議員が駆け寄り、第一委員室は騒然。金子委員長は討論も省略し、委員長の「採決」の声が聞き取れないなか、自民・公明の与党議員が起立し、「採決」されました。
金子委員長は前日の一日、委員長の職権で二日に締めくくり総括質疑と採決を行うことを一方的に決定していました。
二日の予算委理事会で、日本共産党の佐々木憲昭議員は、(1)審議時間が例年に比べ極端に短い(2)野党側が求めているキヤノンの御手洗冨士夫会長と、佐田玄一郎前行革担当相の参考人招致に与党側が応じていない(3)集中審議が二回しか開かれていない―ことを指摘し、委員長職権による委員会開会を撤回し、審議を尽くすべきだと主張しました。
予算委と並行し、与野党国対委員長会談も断続的に開かれ、野党側は「与党の一方的な採決日程を強行すべきではない」と要求。日本共産党、民主党、社民党、国民新党の野党四党の国対委員長は、河野洋平衆院議長に対し、職権で委員会を開き、採決することは極めて問題だとして、議長としての適切な対応を申し入れました。河野議長は与党側に「野党との十分な協議」を要請し、与野党間で協議が続けられましたが、合意にはいたりませんでした。