2007年3月6日(火)「しんぶん赤旗」

米軍艦船

民間港寄港が激増

06年 ソ連崩壊後最多の28回


グラフ

 二〇〇六年に米軍艦船が日本の民間港に寄港したのはのべ二十八回に上り、ソ連崩壊(一九九一年)以降の過去十六年間で最も多くなっていたことが、外務省の資料で分かりました。

 資料は、日本共産党の笠井亮衆院議員の求めに同省が提出したもの。〇五年比で十一回増(一・六倍)と激増し、ソ連崩壊後でこれまで最多だった二〇〇〇年(二十三回)も大きく上回りました。

 また宿毛湾港(高知県)への初寄港や空母キティホークの約六年ぶりの民間港寄港(北海道・小樽港)などが大きな特徴でした。日本各地の民間港をアジア太平洋地域での米軍戦略の足場にしようとするものです。

 米軍艦船の民間港寄港は、米軍がアジア太平洋地域に軍事介入する際(周辺事態)に日本の民間港湾・空港を使用することなどを取り決めた日米軍事協力の指針(ガイドライン、九七年)を前後して増加しました。

 その後、いったん減少(〇一、〇二年)したものの、米軍の民間港湾・空港使用に強制力を持たせた有事法制関連法が成立(〇四年)したのを境に、再び増加の気配をみせていました。

 日米両政府は〇五年十月、在日米軍再編に関する合意に、日米軍事協力を向上させる分野として「港湾・空港の使用」を明記。これを受け翌〇六年に寄港回数が激増した形です。

 同合意では、「周辺事態」などでの日米共同作戦計画の検討に有事法制を反映させるため、「飛行場及び港湾の詳細な調査を実施する」とし、民間港の調査も打ち出していました。米軍艦船は民間港に寄港した際、その有事利用を念頭に、港の状況などを詳しく調査していることが明らかになっています。

 今年に入っても米軍艦船の民間港寄港は相次いでおり、一月からの約二カ月間で本紙が確認できたものだけでもすでに八回に達しています。これは〇六年と同じ高水準のペースです。


2006年の米軍艦船の民間港寄港

艦名 寄港地 入港日―出港日
揚陸指揮艦ブルーリッジ 名古屋 1月30日―2月3日
巡洋艦チャンセラーズビル 室蘭 2月3日―7日
揚陸指揮艦ブルーリッジ 室蘭 2月6日―10日
駆逐艦スティーザム 長崎 2月10日―13日
掃海艦ガーディアン 2月12日―14日
掃海艦パトリオット 2月12日―14日
駆逐艦ジョン・S・マッケイン 鹿児島 2月24日―28日
掃海艦ガーディアン 2月25日―27日
掃海艦パトリオット 2月25日―27日
フリゲート艦ゲアリー 新潟 3月16日―21日
駆逐艦カーチス・ウイルバー 大阪 4月3日―6日
駆逐艦スティーザム 秋田 4月4日―8日
巡洋艦カウペンス 和歌山 5月11日―14日
巡洋艦チャンセラーズビル 下田 5月18日―22日
駆逐艦ラッセル 宿毛湾 5月24日―27日
巡洋艦シャウプ 清水 5月26日―30日
空母キティホーク 小樽 7月1日―5日
巡洋艦カウペンス 小樽 7月1日―5日
駆逐艦ラッセン 7月11日―13日
駆逐艦ジョン・S・マッケイン 境港 7月18日―21日
掃海艦ガーディアン 新潟 7月27日―31日
駆逐艦ジョン・S・マッケイン 青森 8月3日―7日
駆逐艦フィッツジェラルド 仙台 8月19日―23日
駆逐艦ジョン・S・マッケイン 姫路 8月24日―28日
フリゲート艦ゲアリー 東京 9月1日―1日
駆逐艦ハルゼー 鹿児島 11月2日―6日
駆逐艦フィッツジェラルド 福岡 11月6日―9日
揚陸指揮艦ブルーリッジ 東京 11月18日―20日

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