2007年3月7日(水)「しんぶん赤旗」

安倍首相「慰安婦」発言に批判


事実を認めよ

中国外相「適切処理を」

 【北京=菊池敏也】中国の李肇星外相は六日、全国人民代表大会(全人代)が開かれている北京の人民大会堂で記者会見し、安倍晋三首相が「慰安婦」問題で「強制性を裏付ける証拠がなかったのは事実」と発言したことについて、「『慰安婦』の強制徴用は、日本の軍国主義者が第二次世界大戦のなかで犯した重大な犯罪行為の一つであり、これは歴史的事実だ」と批判しました。

 李外相は、「日本は歴史的事実を認めるべきで、責任をもって厳粛、適切にこの問題を処理すべきだと思う」と表明し、日本政府に適切な対応を促しました。同外相は、「歴史認識は強大な進歩の力となるべきで、後足を引っ張る重荷となるべきではない」と述べ、「真理は往々にして最も素朴なものだ。『歴史を鑑(かがみ)に未来へ向かう』は最も素朴で、最も確かに問題を解決する方法だ」と述べました。

 四月の温家宝首相の訪日に関連して、李外相は、「今年は日中国交正常化三十五周年で、両国関係の発展のチャンスとしてとらえ、両国関係の政治的基礎にかかわる原則問題をうまく処理すべきだ」と指摘しつつ、中国首相として七年ぶりとなる温首相訪日の「重要な意義」を強調しました。


謝罪と補償を

韓国33国会議員が声明

 韓国の「過去史清算のための国会議員の会」に所属する議員三十三人が五日、旧日本軍「慰安婦」をめぐる安倍晋三首相の発言を批判する声明を発表しました。声明は「彼(安倍首相)が夢見る美しい国は、戦争犯罪にまみれた軍国主義日本にほかならない」と非難、「慰安婦」への謝罪と補償を行うよう求めています。

 声明は「日本がアジアと世界各国と本当の友人になり、国際社会のリーダーになる唯一の道は、人類の歴史上に前例のない反人類的、反人道的な戦争犯罪である(旧日本軍)『慰安婦』問題の真実を自ら明らかにし、心から謝罪し直ちに補償すること」だと指摘。「河野談話で表明した通り、歴史の真実から逃げずに、教訓として直視し、実践に踏み出すこと」を求めました。

 韓国国会の女性家族委員会は二月二十一日、全会一致で「米国下院の『慰安婦』関連決議案を支持する決議案」を可決しています。米下院の動向に合わせ、本会議に上程する予定です。

 決議案は「女性の人権の尊厳は、現在も未来も必ず守られるべき人類の基本的価値」と指摘、米下院の決議案が「現在も地球上で続いている武力紛争における性暴力の終息にも、大きな役割を果たすと確認する」としています。


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