2007年3月10日(土)「しんぶん赤旗」

沖縄新基地の事前環境調査

来月上旬に開始計画

政府


 米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)に代わる米海兵隊キャンプ・シュワブ(同名護市)沿岸部への新基地建設に向け、政府が「環境影響評価」(環境アセスメント)の事前調査を四月上旬に開始する計画を進めていることが九日までに分かりました。

 那覇防衛施設局(那覇市)によると、事前調査はすでに、二月八日付の官報で「シュワブ環境現況調査」として入札を公示。三月二十八日の入札の後、業者と一週間以内に契約し、直ちに大浦湾や辺野古湾などシュワブ沿岸のサンゴの生息状況や水質などの調査に入る計画です。

 新基地の環境アセスをめぐり政府は「二〇一四年の新基地完成」という目標から逆算して「五月までに開始する必要がある」と主張していました。しかし、沖縄県や名護市は、政府の新基地建設案の「修正」(沖合への移動)を求め、政府案を前提とした環境アセスには同意していません。

 一方で、仲井真弘多知事は九日、事前調査について「事業者(国)が自由にやれる調査だ」と述べ、黙認する意向を示しました。

 これに関連し、那覇防衛施設局は「『環境現況調査』(事前調査)の結果を環境アセスの資とすることも考えている」と説明。防衛施設庁によると、調査内容は「実質的には環境アセスと同じ」です。事前調査の名目で調査を開始し、必要なデータをあらかじめ収集することで、約三年といわれている環境アセスの期間短縮を図る狙いです。

 ただ、仲井真知事は、知事の同意が必要な海域(公有水面)の使用を求められた場合については「結論を出していない」とも述べ、態度を保留しました。


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