2007年3月13日(火)「しんぶん赤旗」
ダンプ労働者
16時間働き最賃以下
吉川議員追及 安すぎる運搬費
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一日十六時間働いても最低賃金以下の収入しかなく、過積載の原因になっている―日本共産党の吉川春子議員は十二日の参院予算委員会で、運搬費があまりに低いためダンプ労働者が最低賃金以下の収入しか得られず、法違反まで生んでいる実態をとりあげ、「実態調査し生活できる単価にすべきだ」と迫りました。
吉川氏が紹介したのは、都内の生コン工場まで砕石を運ぶ栃木県のダンプ労働者。
睡眠時間四時間半で午前零時半に起床。昼食もハンドルを握りながらとり、午後五時まで十六時間働いても、月収九万六千九百七十六円。最低賃金(月換算で十万円余)に遠く及びません。
法律に決められた積載量を運んでも、燃料代を差し引くと残りは二千六百五十五円。労働者の多くは砕石メーカー専属なのに「一人親方・自営業者」扱いされ無権利状態で働かされており、単価引き上げを求めることもできないのが現実です。
吉川氏の質問に警察庁交通局長は、過積載で検挙された運転者は二〇〇五年は四千六百五十四件あり、依然として深刻な実態を報告しました。
吉川氏は、過積載の背景に生計費以下の単価押し付けがあると指摘。優位に立つ事業者が「買いたたき」をしてはならないとした公正取引委員会の告示(物流特殊指定)の対象にダンプ労働者もなるとただしました。竹島一彦公取委員長は「なります」と答えました。
さらに吉川氏は、一人親方が労働者だと認められた金沢地裁判決をあげて、「働いているにもかかわらず生活していけないのは問題だ。最低賃金法の精神を適用すべきだ」と強調しました。
冬柴鉄三国土交通相は公共事業の積算では十トンダンプで一日、四万三千円になることを明らかにし、「質問を重く受けとめさせていただく」と答弁。柳沢伯夫厚労相は「労働者性があるとしたら、最低賃金以下は許されない」と答えました。
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