2007年3月13日(火)「しんぶん赤旗」
松岡農水相の光熱水費問題
テレビ討論 市田書記局長の発言(大要)
日本共産党の市田忠義書記局長は十一日放映のテレビ朝日系「サンデープロジェクト」に出演し、野党各党代表と討論しました。そのうち松岡利勝農水相の光熱水費問題にかかわる部分(大要)を紹介します。司会は田原総一朗氏。
番組では、松岡氏の議員会館の事務所が光熱水費がただなのにもかかわらず、年間五百七万円(二〇〇五年)、五年間で二千八百八十万円が政治資金収支報告書に記載されていた問題について議論になりました。市田氏は次のように語りました。
虚偽記載の疑い
市田 調べてみると、議員会館が政治資金管理団体の(主たる)事務所だという国会議員は百六十三人、そのうち三分の二の百十人が光熱水費ゼロなんです。
議員会館は光熱水費がただですから、(松岡氏は)虚偽の報告をしている。そうなると、政治資金規正法第九条(違反)で、禁固三年以下もしくは五十万円以下の罰金という刑事罰になるんです。説明責任を果たしていないというだけではなくて、虚偽記載の疑いが濃い。
安倍首相は「適切に処理させていると承知しています」(といっているが)、ある新聞の社説でも「もう少しまともに調べたらどうか」ということを書くぐらいひどい事態です。
(松岡氏の)地元選挙区の事務所の光熱水費は三十八万円です。松岡利勝後援会の光熱水費は年間六十六万円。常識的な線です。かかったといってもこれくらいなんです。ところが(議員会館は)ただなのに〇五年は五百七万円、五年間で二千八百八十万円という金額は、別に使ったものを領収書が要らないので(光熱水費に)投げ込んでいるという疑いが極めて濃い。
参議院の事務局に問い合わせたのですが、参議院の本会議場、委員会室、議員面会所、議員会館、議員会館の食堂、全体の合計が年間で(電気代は)二億三百万円なんです。水道料金は大食堂も含めて議員会館だけで、二千六百七万円です。仮に電気代は半分が議員会館として計算したら、参院議員一人の光熱水費は国が持っているのが五十万円くらいなんです。ただなのに五百七万円というのは誰が考えてもウソの報告をしていると思われても仕方がない。重大な虚偽記載の疑いが濃い。犯罪行為という疑いが濃い。
証人喚問が必要
番組では事実関係を明らかにするために証人喚問をするべきだという議論になりました。
田原 証人喚問をやるべきか。
市田 当然やるべきです。「還元水」とかなんとかといいましたでしょ。不正確なことをいうとまた突っこまれるから調べて改めて報告しますという約束だった。それ以後はどうだったのかと聞いたら、「適切に処理されております」というのを(国会答弁で)三十五分間に、二十三回言った。極めて不適切な発言を二十三回もやっている。ということはもう本人が、事実を明らかにする気がないということだ。
笹川さんという自民党の党紀委員長も、誰が考えてもおかしい、納得できない、自分も還元水を飲んでるが一回還元水(の浄水器)をつければ、五、六年もつし、一つ二十万円ぐらいというんです。議員会館の蛇口は一つしかないんです。誰が考えてもおかしい。しかも、(還元水の浄水器をつけても)それは光熱水費ではない。備品費です。
番組では松岡農水相の任命責任が問題になりました。
任命責任大きい
市田 証人喚問が必要だ。安倍内閣の任命責任という点で、これまでの内閣だったら、これだけ誰が考えても虚偽の疑いが濃いことを言っている大臣だったら、罷免します。どうしてかばうのか。安倍内閣の責任は極めて大きい。
田原 証人喚問を要求したときに与党に否決されたらどうする。
市田 今国民の暮らしが苦しいときに、わが党はもらっていませんが、他の政党の財政は、その多くが政党助成金という税金で賄われている。それだけに(国民の)見る目が厳しい。そういうときに一円たりともあいまいにしないできちんと公表するのが大事です。否決されたら、国民世論を盛り上げて(審判を下す)、安倍さんが選挙で負けるという方向にもってゆくしかない。
議論を聞いていた女性アナウンサーらから松岡氏の問題は小さな問題ではないか、これにあまりとらわれているのはどうか、という意見が出されました。
市田 これだけ追及するのではなくて、「格差と貧困」の問題も、国保証の取り上げの問題も、暮らしの問題も非正規雇用の問題も予算委員会でやっている。「政治とカネ」は小さな問題ではないと思います。国民の感情から見ても大事にするべき問題です。