2007年3月13日(火)「しんぶん赤旗」

イラク安定化国際会議

治安回復に向け協議

米・イランの見解対立 3委員会設置へ


 【カイロ=松本眞志】十日にイラクの首都バグダッドで開かれたイラク安定化の方策を探るための関係国による国際会議は、劣悪な状態が続くイラクの治安回復に向け、関係国の協力体制について話し合いました。


 会議後に記者会見したゼバリ・イラク外相は、会議が「建設的かつ前向きだった」とし、(1)治安協力(2)イラクの治安悪化により発生した避難民の扱い(3)エネルギー供給―の三分野での委員会設置が決まったことを明らかにしました。

 今回の会議では、長年対立関係にあった米国とイランの同席に注目が集まりました。

 ハリルザド駐イラク米大使は十一日に米テレビ局のインタビューへの回答で、イランの代表と短時間対話したと語り、イランがイラクの武装集団に武器などの支援を行っている問題を取り上げたと述べました。イラクのマリキ首相も、会議の冒頭で、周辺国から武装集団に対する武器や資金援助が行われていると指摘し、イラクの内政に干渉しないよう訴えました。

 イラン側代表を務めたアラグチ外務次官は「イラクの平和と安定のために、われわれは外国軍撤退のタイムテーブルを持つ必要がある」と主張。イラン外務省のホセイニ報道官も、駐イラク連合軍がイラクでの暴力を激化させており外国軍の早期撤退がイラクにとって望ましいと表明するなど、米とイランの見解の対立が目立ちました。

 一方で、ホセイニ報道官は会議を「喜ばしい最初の一歩」と評価。トルコ代表が、イラク安定化のための外相級会議を同国のイスタンブールで開催することを提案したことに対しても、米国とともに参加の意向を示しました。

 今回の会議には、国連安保理常任理事国と、サウジアラビア、エジプトを含む周辺諸国やアラブ連盟連名連合なども参加しました。今回の参加者は各国大使など高官レベルでしたが、次回からは外相級会議が開かれる見通しです。


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