2007年3月14日(水)「しんぶん赤旗」
高知県政を前向きに動かす日本共産党の3つの役割
志位委員長の訴えから(要旨)
日本共産党の志位和夫委員長が十一日、高知市内でおこなった演説のうち、地方政治に関する部分(要旨)は次のとおりです。
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高知県政には(1)県民の運動(2)日本共産党と緑心会県議団の建設的提案(3)橋本大二郎知事の県民の声に耳を傾ける誠実な姿勢―この三つの要素が結びついて、前向きの流れが起こっています。
日本共産党県議団と緑心会は(1)橋本県政にたいして「是々非々」をつらぬく(2)国いいなり・自民党県政に逆戻りさせることは許さない(3)県民の切実な要求を具体的に提案し、県政を動かす―この三つを原則にして奮闘してきました。
自民、公明、県民クラブは、県政改革の妨害に明けくれています。政党対決の構図は、「住民が主人公」の県政を前進させる日本共産党と緑心会か、国いいなり・利権・しがらみ県政復活をねらう自民、公明、県民クラブかの対決です。(拍手)
日本共産党県議団と緑心会が、この四年間に果たしてきた三つの役割をお話ししたいと思います。
福祉と教育を良くする仕事
第一は、福祉と教育を良くする仕事です。
福祉・教育が予算の主役に
県予算を、橋本県政一期目の最後の年(一九九五年度)と直近(二〇〇四年度)でみますと、前向きの変化が起こっています。九五年度は民生費と教育費の合計で24・3%、土木費は27・3%で、土木費の方が多い「逆立ち」予算でした。〇四年度は民生費と教育費の合計は28・8%と二割増え、土木費は21・4%となりました。福祉・教育が予算の主役となりました。
公共事業の中身も、民間住宅の耐震改修補助制度の導入など、きめこまかな施策をおこない、町場の建設業者の仕事を守りながら、全体の圧縮・見直しをすすめてきました。(拍手)
全国に先駆けた「こども条例」
教育分野でも、国の教育基本法改悪の動きとは対照的に、憲法と「子どもの権利条約」の基本精神にたった「県こども条例」を全国で初めてつくりました。最初に提案したのは日本共産党でした。
反対したのは自民、公明。自民党県議は「おとなと子どもの関係は、平等でも民主的でもない」とまでいいました。こんな時代遅れの勢力に審判をくだそうではありませんか。(拍手)
三十人学級の拡大
高知県では三十人学級も拡大しています。小学一・二年生は三十人、三年生は三十五人学級になり、四月からは四年生まで拡大、中学校でもモデル校で導入しています。高知市の教育長は、全中学校で実施できるよう県に要望していきたいとのべています。
ここでも妨害しているのは自民、公明です。自民党県議は、三十人学級の廃止まで要求したそうです。日本共産党と緑心会を伸ばして、すべての小・中学校に広げようではありませんか。(拍手)
重度障害者医療費制度を守る
重度障害者医療費の無料制度を守ったことも大きな成果です。障害者自立支援法で一割負担が押し付けられ、都道府県で助成のための負担が増えるもとで、制度を後退させている自治体も少なくありません。高知県では、国の制度改悪で負担が一億八千万円増えますが、共産党と緑心会議員団は「国が制度を後退させたからといって県独自の制度を後退させてはならない」と主張してきました。橋本知事は「これまでどおり助成をおこなう」と明言し、制度を守り抜くことができました。(拍手)
高知県経済の展望を開く役割
二つ目の役割は、高知県経済の展望を開く役割です。日本共産党と緑心会は、国の悪政から高知の農業を守り、積極的な提案で県政を動かしてきました。
独自の中山間地活性化の施策
価格保障の廃止など、国が「品目横断対策」と称してすすめる新たな農業切り捨ての流れにたいし、家族経営をまもるための立派な仕事をしてきたのが、日本共産党県議団と高知県政です。県は、九八年度から「高知県版所得補償」と呼ばれる中山間地への所得補償制度を全国に先駆けて導入しました。二〇〇〇年度には国の制度にもなりました。しかし、国が〇五年度に対象となる条件を厳しくする改悪をしたため、四国四県では高知県以外の三県では中山間地の対象農地が一割も減りました。
そのなかで、高知県は独自の中山間地活性化事業をやっています。三戸以上という緩やかな条件で集団営農を支援する事業で、狭地直し、トラクター共同使用、倉庫・ビニールハウス整備など、百万円以内の事業にたいして半額を補助する制度です。四国では高知県だけが中山間地の支援対象農地を15%も増やしています。(拍手)
高知独自の農家支援策を一貫してリードしてきたのが日本共産党と緑心会です。「自由は土佐の山間より出(い)づ」という言葉があります。中山間地が元気でこそ高知ではありませんか。(拍手)
放射性廃棄物処理施設は断じて認められない
では自公民勢力の活性化策はどうか。県庁ホームページで「庁議の概要」をみますと、「県選出の国会議員との意見交換会」で、こんな意見をのべた人がいます。
「核燃料廃棄物の処理施設、沖縄米軍基地の誘致、自衛隊のヘリコプター基地、刑務所といった、住民や県民から迷惑施設といわれるものを持ってきて、地域を活性化しなければいけない」(どよめき)
東洋町長が「高レベル放射性廃棄物処分場」の候補地として手を挙げたことが大問題になっています。この暴走は、高知選出国会議員の手引きによるものというのが真相ではないかとの指摘もあります。
地下三百メートルに廃棄物を埋めるといいますが、放射能がなくなるには二万年かかるのです。コンクリートの寿命などは短いものです。高知県を危険きわまりない放射能を出しつづける核のゴミ捨て場にする計画は断じて受け入れられない。「迷惑施設の誘致で活性化を」などという勢力には、県政を担う資格はありません。(大きな拍手)
利権の復活許さず、不正・腐敗を一掃する
第三は、利権の復活を許さず、不正・腐敗を一掃する役割です。
不公正な同和行政を全国に先駆けて終結させたのが、日本共産党議員団のがんばりでした。(拍手)
〇三年七月に表面化した県警の捜査費不正使用疑惑でも日本共産党と緑心会の追及と提案が、疑惑究明への大きな役割を果たしました。
〇六年五月、高知地裁が組織的不正が強く疑われると認定。同年六月議会で代表質問にたった日本共産党の田頭文吾郎議員は、知事に監査請求をすべきだと提起しました。この提起がその後実り、知事も動いて、議会と知事が一緒に請求して特別監査が始まりました。その結果、監査対象の三分の一をこえる捜査費支出を「違法」「不適切」と認定したのです。それでも県警幹部は「組織的不正はなかった」と言い張っています。
日本共産党と緑心会は、県警に対して黒塗りをはずした資料を全面開示し監査に応じることを要求すべきと提起しました。しかし、自民、公明、県民クラブがそろって反対し、疑惑解明の道を閉ざしています。日本共産党は徹底的に警察の不正を追及できる党です。共産党を伸ばして、県警中枢の疑惑を解明しきろうではありませんか。(拍手)