2007年3月14日(水)「しんぶん赤旗」

消費者保護 日本共産党の考えは?


 〈問い〉 最近、私の近所のお年寄りが悪質な業者の詐欺にあい、数十万円を取られました。消費者を守るために行政がもっと力を入れるべきだと考えますが、貴党はどうお考えですか?(東京・一読者)

 〈答え〉 全国の消費者センターなどに寄せられた相談件数は、2005年度で127万件を超えています。高齢者の不安をあおって必要のない住宅リフォームをおこなったり、公的な名前を語りお金を振り込ませるなど、悪質な犯罪が増え、手口も巧妙になっています。被害金額も年々増え、05年度には1805億円(既に払ってしまった金額)にのぼっています。

 こうした深刻な消費者被害にたいして、住民の一番身近な相談窓口である自治体の消費者相談の予算や体制はあまりに貧弱です。

 消費者団体の調査によると、都道府県の消費者行政の予算(本課+消費者センター予算)は、06年度には5年前と比較して約4割も減らされてしまいました。消費者行政の専任の担当職員(同前)は、全国でわずか1100人余りであり、これでは、一人ひとりの職員がどんなに一生懸命がんばっても、親身になって相談に乗ることは不可能です。市町村の消費者行政への支援をおこなっている都道府県は年々減少して22道県にとどまっています。

 すべての自治体に相談窓口を設置すること、親身になって相談に乗れるように、相談日数とともに相談員の数を大幅に増やすこと、そのためにも、消費者行政予算の抜本的な拡充が求められます。

 都道府県や政令指定都市には、消費生活条例などにもとづく「苦情処理委員会」の開催や消費者が訴訟をする際の資金援助制度などがあります。また、悪質な業者にたいして、特定商取引法や条例にもとづいて行政処分をおこなえる権限があります。しかし、実際にはほとんどの自治体で「苦情処理委員会」は開催されず、行政処分も06年度でわずか150件にもみたないものです。

 消費者被害の増大、多様化に対応して、いま地方自治体が持っている体制や権限を有効に活用することが必要です。

 地方での消費者行政の拡充とともに、国政としても、製造物責任法での立証責任を消費者から企業に転換すること、消費者契約法での「適合性原則」(契約の際に消費者の知識や経験などを配慮する)を導入することなど、消費者関連法案の拡充が求められます。(文)

 〔2007・3・14(水)〕


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