2007年3月16日(金)「しんぶん赤旗」
“ネットカフェ難民”急増
規制緩和で日雇い派遣に
小池議員 厚労相「好ましくない」
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懸命に働いてもアパート代さえ払えず、インターネットカフェで寝泊まり―。“ネットカフェ難民”とも呼ばれ、社会問題になっている「日雇い派遣」で働く青年の実態が、十五日の参院厚生労働委員会で取り上げられました。日本共産党の小池晃参院議員が質問したもの。この問題が国会で本格的に取り上げられたのは初めてです。
柳沢伯夫厚労相は「健康や安全管理、正規雇用を増やしていくという立場からすれば好ましくない」とのべ、「どのような調査ができるのか検討したい」と答えました。
「日雇い派遣」は、派遣会社に登録し、携帯電話メールで紹介された工場や倉庫業務など短期就労を日替わりのように繰り返す働き方で、若者を中心に急増しています。
小池氏は、自ら体験したネットカフェの写真パネルを示しながら、「勤務時間は定まっておらず相場は一日六千円から八千円程度。携帯メールで集合場所が連絡され、ワゴン車で仕事場に連れていかれる。深夜手当も社会保険もない」と生々しい実態を紹介。「労働基準法すら守られない世界に置かれている。究極の不安定雇用である日雇い労働は、なくしていかなければならないはずだ」と迫りました。
高橋満職業安定局長は、現行制度では雇用保険や社会保険に入れる条件に日雇い派遣は適合しないとのべ、セーフティーネットの対象外に置かれることを認めました。
「派遣を選択する人もいる」とのべる柳沢氏に対し、小池氏は「好き好んでネットカフェで寝泊まりする人などいない」と指摘。「労働者供給事業は禁止されていたのに、労働者派遣法で解禁され、ほとんどの業種で派遣できる仕組みに変えられた。大企業の要求に沿ってすすめてきた労働法制の規制緩和策を見直すべきだ」と強調しました。
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