2007年3月19日(月)「しんぶん赤旗」
食料自給率向上の障害
紙議員 経営安定対策ただす
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日本共産党の紙智子議員は十五日の参院農水委員会で、品目横断的経営安定対策の問題を取り上げ、この対策が食料自給率引き上げの障害になる点について政府をただしました。
紙氏は、地球温暖化の進行の中で食料自給率引き上げは待ったなしの課題になっており、そのために既存制度の見直しや政策体系も組み替える必要があると迫りました。松岡利勝農水相は「食料自給率向上が一番重要であることはその通り」と認めました。
今年から導入された品目横断的経営安定対策は、過去の生産実績に基づく交付金の交付という仕組みのため、生産面積の拡大や二期作や二毛作など農地利用率の向上は制度の対象外となっています。紙氏が「これでは食料自給率は上がらない」とただしたのに対し、松岡農水相は「WTOの規律上、過去の生産実績が条件である」と答え、問題点を認めました。
さらに紙氏は、品目横断的経営安定対策で支払われる金額が、北海道北見市の平均的な農家で、従来の価格支持制度で九百十二万円支払われていたのに対し、七百二十四万円と約二百万円も減額となる試算を明らかにし、農家の所得も減るような制度で、どうして食料自給率が上がるのかと追及しました。
松岡農水相は「にわかに信じがたい数字だ。論評しがたい」と答えるにとどまりました。