2007年3月20日(火)「しんぶん赤旗」
看護師不足が医療格差に
紙議員 増員へ抜本対策要求
日本共産党の紙智子議員は十九日の参院予算委員会で、全国的に看護師不足が深刻化している問題を取り上げ、国の姿勢をただしました。
国は、二〇〇六年度から看護師の配置基準を患者七人に看護師を一人配置するように引き上げました。この人員配置にすれば病院に入る診療報酬も増える仕組みです。
しかし、看護師が絶対的に不足するなかで、一部大病院が収入増をはかるために看護師の大量確保にのりだし、地方や中小病院での看護師不足に拍車がかかっています。
紙氏は、人手不足によって残業や休日出勤が増え、病気をおして出勤するなど、現場が「医療の安全をおびやかす勤務状況」になっていると警告。各地で病棟閉鎖や訪問介護ステーションの休止などが進み、地域医療への影響も拡大していることを示し、国の対応をただしました。
柳沢伯夫厚生労働相は、「(七対一の配置基準が)地域医療における看護師確保に影響を与えた可能性がある」と認めました。
紙氏は、国が看護師不足を放置し、総額約一兆円もの診療報酬の大幅削減をしたことが問題であることを指摘。(1)診療報酬の緊急引き上げ(2)「七対一基準」をすべての医療機関が継続・取得できるようにする(3)看護師の絶対数不足を打開するための抜本的対策―などを求めました。