2007年3月20日(火)「しんぶん赤旗」
核施設停止の用意
北朝鮮 「各国が約束守れば」
6カ国協議
【北京=菊池敏也】北朝鮮の核問題をめぐる第六回六カ国協議が十九日午前、北京の釣魚台国賓館で始まり、開幕式に続く全体会合で各国が基調発言しました。
新華社電によると、北朝鮮首席代表の金桂冠外務次官はこのなかで「各国が期限内に約束を守れば、寧辺の核施設を稼働停止・封印し、国際原子力機関(IAEA)の監視・査察を受ける用意がある」と述べ、二月の六カ国協議で合意された「核廃棄に向けた初期段階の措置」を履行する意向を表明しました。
金次官は「金融制裁問題が最終的に解決されることが重要」として、マカオの銀行で凍結されている北朝鮮資金の全額返還が必要との立場を繰り返しました。
議長の武大偉・中国外務次官は、米朝が凍結資金の全額返還で合意したことで初期段階措置の履行に「有利な条件が整った」と指摘。韓国首席代表の千英宇・外交通商省朝鮮半島平和交渉本部長は「核施設停止への大きな障害はすべて取り除かれた」と評価しました。
ヒル米代表は基調演説で「初期段階措置に焦点を合わせなければならない」と、北朝鮮に合意履行を求めるとともに、同措置の履行後に予定される六カ国外相会議の開催に期待を表明しました。
日本の佐々江代表は「非核化に向けた具体的行動が約束通りに六十日以内に実施されることが必要」と指摘しました。また北朝鮮に対し拉致問題の解決に「誠意ある対応」を求めました。
今回の協議は(1)各作業部会の進行状況の報告(2)初期段階の行動の具体的段取りの討議(3)次の段階に各国がとるべき行動についての初歩的検討―が議題です。会期は三日間を予定しています。
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