2007年3月21日(水)「しんぶん赤旗」

温泉排水

基準強化を見送り

市田議員に環境相が答弁


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(写真)質問する市田忠義議員=20日、参院環境委

 若林正俊環境相は二十日の参院環境委員会で、温泉旅館の排水に適用されている暫定排水基準が今年六月末に期限切れを迎え、その後は一般の事務所廃水と同様の基準が設定されようとしている問題について、「温泉旅館からのホウ素、フッ素を処理する技術は十分に開発されていない。暫定排水基準の適用は延長せざるをえない」と延長する考えを初めて表明しました。日本共産党の市田忠義議員に対する答弁です。

 ホウ素・フッ素などの化合物は、二〇〇一年の施行令改正で有害物質に追加され、温泉を利用する旅館業が適用業種になりましたが、温泉という特殊性もあり三年間の暫定排水基準を設定。さらに〇四年の適用期間終了時に引き続き三年間の延長となり、今日に至っています。今年六月末の期限切れを前に、全国の温泉地では、廃水処理施設が一基数千万円もかかることから「温泉排水基準の強化で旅館経営が成り立たなくなる」と延長を求める声があがっていました。

 市田氏は、温泉地で有名な大分県別府市の浜田博市長や北海道登別市の上野晃市長らと懇談した際に「工場排水と同様の視点で天然温泉にも一律に規制をかけようとしている。納得いかない」などの要望が出されたことを紹介。「急激な一般排水基準の適用で、大自然の恵みを文化資源としている街の発展を妨げてはならない」と批判し、暫定排水基準の適用延長を求めました。


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