2007年3月23日(金)「しんぶん赤旗」
資産家への証券優遇税制
米英より課税安い
大門氏が批判
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株式譲渡益など金融所得への税率を20%から10%に半減する証券優遇税制で、日本はアメリカやイギリスなどにくらべ、大資産家への課税が大幅に低い実態が明らかになりました。二十二日の参院財政金融委員会で日本共産党の大門実紀史議員が指摘したものです。
株式譲渡所得が一億円にもなる超富裕層にかかる税は、ニューヨーク市で二千二百七十万円、イギリスで三千六百八十二万円、フランスで二千七百万円なのにたいし、日本は半分以下の九百七十五万円です。
大門氏は、証券優遇税制で、申告納税所得が五千万円を超える大資産家は、金融所得が大部分を占めるため、所得が高いほど税率を高くする累進税制に反して負担率が低くなることまで起きていることを批判。「五千万円を超えるとなぜ負担率が下がるのか。日本ではどうしてこんなに優遇されるのか」とただしました。
尾身幸次財務相は、「軽減税率も影響の一つ」と、証券優遇税制によって、高額所得者の税負担率が低下する逆行を認め、「勤労性所得とのバランス」などを考慮し、一年後には20%の標準税率に戻すと述べました。
大門氏は、大企業がもうけても、働く人にはいかず株主や役員賞与にまわっている現状を指摘。「高額所得者に減税するのは、格差是正とさかさまの方向。証券優遇税制はすぐにやめるべき」だと主張しました。
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