2007年3月23日(金)「しんぶん赤旗」

200年でも生きてたたかう

安倍首相発言に抗議

元「慰安婦」李容洙さん(79)

私こそ歴史の証人です


 ソウルの日本大使館前で二十一日開かれた安倍首相の旧日本軍「慰安婦」問題発言への抗議集会に参加した韓国の元「慰安婦」、李容洙(イ・ヨンス)さん(79)に話を聞きました。李さんは、安部首相の発言を「ここに私がいるのにどうして妄言を繰り返すことができるのか」と糾弾しました。(ソウル=中村圭吾 写真)


写真

(写真)21日、集会で訴える元「慰安婦」の李容洙さん=ソウル

 安倍首相が「慰安婦」は「キーセン(妓生)」だと発言していたことを聞きました。ある時には「謝罪する気持ちに変わりはない」と言い、ある時には「(米議会の)決議案が通っても謝罪しない」と言う。いったい同じ口で何度、言葉を変えるのでしょうか。

 キーセンだとかいうのなら、自分で調査をして真相を究明すればいいではないですか。昨日は、村山(富市)元首相が日本には道義的な責任がある、謝罪すべきだと言ったそうです。

 いくら言葉で隠そうとしても、それで隠せるものではありません。河野談話から十年以上もたつのに、日本政府はずっと責任を否定しようとしています。いったい「慰安婦」を誰がつくったのか。強制動員の証拠がないというが、私は十五歳で連れて行かれました。どんなにねつ造をしても、私こそ生きた歴史の証人です。

 私は、最後まで日本政府に抗議するために、私が変わってしまってはいけないと思い、結婚もしませんでした。年をとったことを除けば、連れて行かれた時のそのままです。

 ここに私がいるのに、どうして妄言を繰り返すことができるのでしょう。世界中を回って証言してきました。今日もそのために大使館の前に来ました。私が生きた歴史の証人としてここにいます。私たちの後の世代のために、二百年でも生きて、最後まで日本政府とたたかいます。

 今も、性暴力というのは世界中で起こっています。世界中の性暴力の根っこを絶つために、この問題を解決するつもりです。


キーセン・ハウス

安倍首相発言

 一九九七年に刊行された『歴史教科書への疑問』(日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会編 展転社)に掲載されている、当時「会」事務局長の安倍氏の発言を、韓国国会議員らが改めて問題にしています。安倍氏の発言は次のとおり。

 「儒教的な中で五十年間黙っていざるをえなかったという、本当にそういう社会なのか、韓国にはキーセン・ハウスがあって、そういうことをたくさんの人たちが日常どんどんやっているわけですね。ですから、それはとんでもない行為ではなくて、かなり生活の中に溶け込んでいるのではないかとすら私は思っている」



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