2007年3月27日(火)「しんぶん赤旗」
憲法問題が政党選択の重大争点に
歴史ゆがめる安倍・下村発言は許されない
志位委員長が会見
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日本共産党の志位和夫委員長は二十六日、遊説先の甲府市内で記者会見し、いっせい地方選の大争点の一つとして、「憲法九条を守るかどうかを政党選択の大問題として提起し、憲法擁護の願いはこぞって日本共産党へと訴えたい」とのべるとともに、下村博文官房副長官が「従軍慰安婦はいなかった」と発言したことを厳しく批判しました。
このなかで志位氏は、「今回の選挙は地方選ではあるが、憲法九条に対する各党、各候補の態度が重大な争点になっている」として、二つの理由をあげました。
一つは、憲法改定をめぐる国会状況が緊迫さを増していることです。志位氏は「安倍晋三首相は任期中に改憲を強行するといい、改憲手続き法案を今国会中に通すと号令をかけている。憲法改定への第一歩を許さないという国民の意思表示を今度の選挙でくだすことはたいへん大事だ」とのべました。
もう一点は「歴史問題」が、改憲動向と重なりあって事態を深刻にしていることです。志位氏は、「従軍慰安婦」問題で、安倍首相が「強制連行を裏付ける証拠はない」とくりかえし、日本の人権認識の基本が米国はじめ世界中から問われていると指摘しました。
そのさなかの二十五日、下村官房副長官が民放ラジオ番組で、「従軍看護婦とか従軍記者はいたが、『従軍慰安婦』はいなかった。ただ、慰安婦がいたことは事実。親が娘を売ったということはあったと思う。だが、日本軍が関与していたわけではない」とのべたことを厳しく批判。志位氏は、「ロイター通信や韓国各紙も重視して報道しているが、非常に重大な発言だ。旧日本軍の関与と強制を認定して謝罪した『河野官房長官談話』(一九九三年)を正面から否定する発言であり、官房副長官の発言として絶対に許すわけにはいかない。官房副長官の職責と両立しない」とのべました。
志位氏は、「一方では改憲手続き法案、一方では『従軍慰安婦』問題での歴史のわい曲ということが、選挙のさなかに重大問題となった。戦争にまともな反省のない勢力が憲法九条をかえて、『海外で戦争をする国』づくりにのりだす――ここにアジア諸国の不安と批判が広がっている」と指摘。「今度の選挙で、これを絶対に許さず、憲法九条を守りぬくという願いを日本共産党に託してほしいということを大いに訴えたい」と強調しました。
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