2007年3月28日(水)「しんぶん赤旗」
キヤノン
違法承知で偽装請負
小池議員 内部文書示し追及
偽装請負が問題となったキヤノンが違法を承知で偽装請負を続けていた問題が、二十七日の参院厚生労働委員会でとりあげられました。共産党の小池晃参院議員が、同社の内部資料を示して追及したものです。
小池氏によると、同社は昨年二月、「外部要員適正管理の手引き」というマル秘扱い文書で、「偽装請負は違法」「一年を超えて派遣を受け入れる場合、直接雇用の申し込みを行わなければなりません」など法令順守を呼びかけていました。
ところが、厚労省の指導で偽装請負から派遣に切り替えたのは、それから半年後の昨年八月。
キヤノン会長でもある御手洗冨士夫日本経団連会長は十月の経済財政諮問会議で、直接雇用の申し込み義務の見直しなど派遣法制の見直しを求めていました。
小池氏は「違法を承知で偽装請負を行いながら法律が悪いというのはあまりに身勝手だ。どういう指導を行ったのか」とただしました。
「個別企業のことは答えられない」とする厚労省に対して、小池氏は「そんな腰が引けた姿勢でいいのか」と批判。派遣・請負労働者から二年間で千人を正社員とするという計画について、五百五十人の中途採用枠内のものでしかなく、正社員採用をしても派遣・請負労働者が過半数を占めるという大勢は変わらないことを指摘しました。
派遣労働者から「派遣社員は(中途採用に)応募しないようにいわれている」など直接雇用に背をむけている告発メールが寄せられていることも紹介。厳正な指導・監督を行うとともに御手洗会長を参考人に招致するよう求めました。
柳沢伯夫厚労相は「違反が確認されれば厳正な指導を行う」と答えました。
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