2007年3月28日(水)「しんぶん赤旗」

民医連が24時間診療

能登半島地震の輪島


 能登半島地震の被害が最も大きかった輪島市で、石川県民主医療機関連合会に加盟する輪島診療所は、“被災者の命のとりで”として二十四時間体制で活動しています。二十七日も、金沢市などからかけつけた医療従事者らと、避難所での健康相談、「気になる患者」の往診などに取り組みました。

 午前九時、通常診療とは別に地域にでかける十七人が打ち合わせ。濱茂夫事務長(52)が「みなさんのほうから『ご要望は』と積極的に声をかけてください」と優しい口調で指示をだします。

 濱事務長は、難病で一人で暮らす母親(77)の介護で実家にいて地震に襲われました。母親を特別養護老人ホームに預けて出勤。県民医連の支援を受けつける態勢の中心にすわりました。

 城北病院の内科医、牧田智絵医師(32)は、朝六時に金沢市を車で出発、二時間半かけて輪島に来ました。牧田医師は、医学生(24)、看護学生(21)と一緒にワゴン車に乗り込みました。

 輪島市上大沢の集会所。十畳と八畳の部屋に十数人のお年寄りが壁にもたれて座っていました。牧田医師が柔らかな笑顔で語りかけます。

 「家に帰りたい」「でも、余震のときは、皆で寄り添うと心強い」と口ぐちに語ります。

 医学生も看護学生も震災での生活の様子を丁寧に聞き、血圧を測って健康上の助言をします。

 看護大学生は「高齢者は医療の不安を抱えています。医療者が話を聞くだけでも、安心してもらえると思います。また、来ますよ」。


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