2007年3月28日(水)「しんぶん赤旗」
行政介入許されない
吉川議員 放送法改定ただす
参院総務委
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二十七日、参院総務委員会で日本共産党の吉川春子議員は、二〇〇七年度NHK予算にかかわって、放送への行政介入について質問しました。
まずNHKへの命令放送について質問した吉川議員は、昨年十一月十日に命令放送の交付以降の拉致問題の放送本数について問いました。
NHKの橋本元一会長は、昨年九月から十一月九日までが百八十本で、その後は二百六十本と命令放送以降の出稿本数が増えているとした上で、「あくまでNHK自身の編集判断でニュースを出している」と強調しました。
吉川議員は、総務省が「命令放送」を「要請」と、放送法の表現だけを弱めようとしていることにふれ、「命令であれ要請であれ、行政が番組介入することは望ましくない」と述べました。
さらに吉川議員は、関西テレビの「発掘!あるある大事典」のねつ造問題を契機として、総務省が放送への介入を強めていることに言及。「放送事業者がBPO(放送倫理・番組向上機構)を強化させようと努力している時に、それに先んじて放送法を改定して行政処分を行おうというのは、憲法でいう表現の自由の制約である」と批判しました。
菅義偉総務相は「憲法が定めた表現の自由は無制限ではない」と答弁。吉川議員は、「表現の自由に憲法は何の留保もつけていない」と反論しました。NHK橋本会長は「放送は視聴者の信頼で成り立つ。(行政が)編集過程にまで関与することは表現の自由にふれるもので、大変懸念される。再発防止はわれわれ自身でやっていく」と述べました。
NHK予算案は全会一致で採択されました。