2007年3月30日(金)「しんぶん赤旗」
年金財源は口実だった
小池議員 政府与党の増税を批判
日本共産党の小池晃参院議員は二十九日の参院厚労委員会で、基礎年金の国庫負担割合の引き上げを理由に増税をおしつける安倍政権の姿勢を追及しました。
二〇〇四年の年金制度「改正」では、基礎年金の国庫負担割合を現在の三分の一から二分の一に引き上げることが決められましたが、〇七年までの四年間で引き上げられたのは、そのうちわずか3・2%です。
小池議員は、当時政府が引き上げの財源として公的年金等控除の縮減、老年者控除、定率減税の廃止をあげていたことを指摘。これらによる税収増が年間二兆八千四百億円になる一方で、基礎年金には五千百億円しか回されていないことを示し、「増税分の二割弱しか基礎年金の財源に充当されていない。国民を欺くものだ」と批判しました。
柳沢伯夫厚労相は「〇九年度までの国庫負担二分の一引き上げに向け、着実にその道を歩んでいる」と述べるにとどまりました。
国庫負担引き上げの財源に、定率減税の廃止を言いだしたのは公明党です。小池議員は、〇三年九月の公明新聞に発表された北側一雄政調会長(当時)の試案を示し、「計画では、五年間で国庫負担は二分の一になると宣伝したが、計画通り実施されたのは増税だけだ。国民に対する約束違反ではないか」と、重ねて追及。しかし、柳沢厚労相は、「〇九年度には必ず国庫負担の二分の一を確保する」と繰り返すだけでした。
小池議員は、「結局、国庫負担の引き上げは、年金課税の強化、定率減税縮減・廃止の口実に使われただけだ」と指摘。さらに、安倍首相が国庫負担の引き上げを理由に、今年の秋から消費税引き上げの論議を始めると言っていることを示し、「これでは、偽りの証文で二回増税をやるようなものだ。こういうやり方は絶対に許されない」と厳しく批判しました。