2007年3月30日(金)「しんぶん赤旗」

「慰安婦」問題 吉川議員の質問

首相の姿勢問う


 日本共産党の吉川春子議員が二十六日の参院予算委員会でおこなった「従軍慰安婦」問題で安倍晋三首相にたいしておこなった質問をあらためて紹介します。


写真

(写真)質問する吉川春子議員=26日、参院予算委

 吉川春子議員 安倍総理は、三月一日の夜、官邸で記者団の質問に答えて、九三年の河野官房長官談話について、当初定義されていた強制性を裏付ける証拠がなかったのは事実だと語られました。そうですか。

 安倍晋三首相 何回か答弁を申し上げていますが、私は河野官房長官談話を継承していくということを申し上げているわけでございまして、そしてまた慰安婦の方々に対しまして御同情を申し上げますし、またそういう立場に置かれたことについてはおわびも申し上げてきたとおりでありまして、今まで答弁してきたとおりであります。

 吉川 当初定義されていた強制性を裏付ける証拠がなかったのは事実だとおっしゃったんですか、おっしゃらないんですか。

 首相 累次この場においてもまた本会議の場においても答弁をしてきたとおりでございまして、それを見ていただければ分かるとおりであります。

 吉川 そういう発言はなかったと、取り消されるんですね。

 首相 累次、今まで答弁してきたとおりでございます。ですから、今、吉川議員がおっしゃったことも私は答弁をしてきた中の中身でございます。

 吉川 総理が記者会見で官邸でおっしゃったかどうかだけを伺っているんですけれども。

 首相 強制性について私が申し上げたことは、記者会見で申し上げたことはすべて、これはニュースにもなっておりますから、それはそのとおりであります。

 吉川 官房長官談話では、広範な地域に慰安所が設置された、慰安所は軍の要請によって設置された、慰安所の管理運営、慰安婦の移送について旧日本軍が直接又は間接に関与したとしております。これはお認めになるんですね。

 首相 先ほど答弁をいたしましたように、河野官房長官談話を継承しているということは、この官房長官談話をまさに引き継いでいるわけでありますから、その中身も、それを引き継いでいるということでございます。

 吉川 さらに談話では、慰安婦の募集について、本人の意思に反して集められた、官憲が直接これに加担したこともあった、慰安所の生活は強制的状況で痛ましいものであったと言っていますが、これもお認めになりますか。

 首相 河野官房長官談話を継承すると、このように申し上げております。

 吉川 お認めになるんですね、今言ったこと。

 首相 そうです。

 吉川 河野談話の内容と、それから、首相官邸での記者会見の強制性はないという発言は矛盾すると思いますが、談話を受け継ぐとおっしゃるならば、この発言は取り消されたらいいと思うんです。いかがでしょう。

 首相 そうした発言も含めて今私は答弁をしているわけでございますが、この河野官房長官談話を継承していくということでございます。

 (吉川氏は、ここでオランダと中国の慰安婦の強制の事例を追及)

 吉川 (元慰安婦の方は)今日までまだPTSD(心的外傷後ストレス障害)で苦しんでいるんですよ。日本政府が本当に心から公式に謝ってほしいと思っているんです。総理、公式に謝る必要があると思いませんか。

 首相 今、私はここでおわびを申し上げているわけであります。内閣総理大臣としておわびを申し上げているわけでありますし、河野官房長官談話で申し上げているとおりであります。

 吉川 河野官房長官談話は閣議決定されていません。それでは、閣議決定しますか。

 首相 河野官房長官談話ですべてでございます。

 吉川 安倍総理、一度被害者に直接お会いいただきたいと思います。細田元官房長官はお会いになりましたけれども、安倍総理も直接、慰安婦にお目に掛かって謝罪をしていただきたい。



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