2007年3月31日(土)「しんぶん赤旗」
「従軍慰安婦」問題
独紙
北朝鮮問題の解決妨害
安倍首相の姿勢を批判
【ベルリン=中村美弥子】南ドイツ新聞二十八日付は、「従軍慰安婦」の強制性を否定する安倍晋三首相の姿勢を批判し、日本外交の孤立化を指摘するヘンリク・ボーク北京特派員による論評を掲載しました。
「歴史の切り捨て」と題する論評は、「慰安婦」問題での安倍首相の発言が低下する支持率を回復させるために画策したもので、日本の国粋主義者の支持を得ることが目的だったと分析。この態度は、北朝鮮の核問題の解決を困難にしていると指摘しています。
安倍首相が、日本人拉致問題での対応で支持を広げ首相に選出されたのにもかかわらず、「拉致された性奴隷たち(「慰安婦」のこと)を侮辱しているのは歴史の皮肉だ」と述べています。その上で、日本の態度は、北朝鮮の核問題の解決を目指す六カ国協議の進展を妨害していると警告。「国粋主義者の安倍にとって、朝鮮、中国、オランダの拉致被害者は、日本の拉致被害者と同様の人間的尊厳を持っていないのだ」と厳しい見方を示しました。
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