2007年4月1日(日)「しんぶん赤旗」
「頑張ろう」声掛け合う
能登半島地震1週間
避難生活、疲労濃く
震度6強を記録した能登半島地震から一週間。被災地ではダンプカーや重機が行き交い、倒壊家屋の撤去作業など復旧にむけた動きが少しずつ始まっています。一方でお年寄りら、千百人が慣れない避難所生活を強いられています。長引く避難生活に被災者は不安と疲労の色を濃くし、早く家族でゆっくりしたいとの思いを強めています。
震源地にほど近い輪島市門前町の黒島地区。黒島公民館には、地域住民が配られる食事を受け取りに集まってきます。同地区は被災後ずっと断水が続き、下水も使用できず、炊事ができないためです。
「元気? 頑張ろうね」。顔見知り同士、声を掛け合います。
配られるのは主にバナナとご飯、ペットボトルに入った水。インスタントのみそ汁がつくことも。
訪れた女性(70)は、「親せきが持ってきてくれた缶詰で毎日ご飯を食べています。一番困っているのはトイレが使えないこと。水だけでも早く復旧して」と疲れた表情で訴えました。
同公民館には、一人暮らしのお年寄りら四十人が避難生活を送っています。
「あたたかくておいしいです」。九十二歳の女性は、地域のボランティアによる炊き出しの豚汁を大事そうに味わっていました。自宅は戸や壁が大きく壊れる被害を受けました。松本さんは耳がほとんど聞こえません。被害状況や避難所生活の情報など「いろんなことがよくわからない」と不安気に語りました。(阿曽隆、本田祐典)
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