2007年4月2日(月)「しんぶん赤旗」
諫早湾閉め切り10年
9日から 再生へ催し多彩に
干拓事業で長崎県の諫早湾が閉め切られて十四日でちょうど十年。この間、諫早湾・有明海の漁業不振や海洋環境は悪化するばかりです。このため漁民や研究者、市民グループが協力して「閉め切り十年の節目を、干潟と海と地域社会の再生へ転換しよう」とアピールする多様な催しを計画しています。
諫早湾の閉め切りで広大な干潟とそこに生息していたムツゴロウなどの生物が消滅しました。この日を忘れることなく諫早干潟の回復や各地の干潟・湿地の保全を進めていこうと、日本湿地ネットワークでは、毎年四月十四日を「干潟を守る日」とする全国的な湿地保護キャンペーンをつづけてきました。
諫早市の現地では、十四日午後一時半から「干潟を守る日2007全国集会」を開きます。実行委員会と諫早干潟緊急救済本部の主催で、この間の十年の出来事や運動を「映像とトーク」で紹介。干拓事業がもたらした悪影響や再生への展望を専門家が討論します。
この日は、午前十時から、「諫早干拓痛恨の碑」の前での「慰霊祭」、午後六時からは、諫早市内での「ろうそく行列」があります。
今年は当日の催しだけでなく、九日から十三日まで「キャラバン隊」が有明海沿岸四県を回り街頭でアピールし、各地で漁民と交流会を開きます。
各会場を「黄色いハンカチ」でにぎやかに飾る運動も。諫早や有明海に関するメッセージを黄色い布に書いて送ってもらいたいと、六日までの予定で全国に呼びかけています。
このほか十五日には、「干潟の豊かさを思い出すバスツアー諫早から鹿島(佐賀県)への旅」などが計画されています。
■関連キーワード