2007年4月4日(水)「しんぶん赤旗」
パート労働法
改定案が審議入り
衆院 差別禁止対象者わずか
十四年ぶりの改定となるパート労働法(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律)改定案の審議が三日、衆院本会議での趣旨説明と質問を皮切りに始まりました。
政府案は、賃金や教育訓練、福利厚生施設利用についてパートと通常労働者との「均衡待遇」を掲げ、ごく一部のパートだけに限って通常の労働者との差別的取り扱いの禁止を盛り込みました。
その差別禁止(罰則規定なし)の対象は、柳沢伯夫厚労相の答弁でも「4、5%」。圧倒的多数のパートには職務などで待遇に違いを設けたうえ、使用者の努力・配慮義務にとどめており、格差を固定化・拡大しかねない内容です。
同厚労相は、差別禁止の対象者数を問われて「統計データは存在しない」「新たに把握するのは困難」などと無責任な姿勢を示しました。
均衡待遇の実効性については「努力義務も行政指導の対象。問題があった場合は都道府県労働局長が助言、指導、勧告をする」と答えました。
民主党提出のパート法修正案も審議。自民党の松浪健太議員は、均等待遇を図るさい通常の労働者の労働条件を合理的な理由もなく低下させてはならないとの規定について、「正社員保護法案」とのべ、切り下げを容認する姿勢を示しました。
パート法について、日本共産党は、緊急提案「いまこそ人間らしく働けるルールを」のなかで、パート労働者の願いとはほど遠い法案だと指摘し、「同一労働同一賃金」の原則、不当な差別や格差の禁止、均等待遇を法律に明記するよう求めています。