2007年4月7日(土)「しんぶん赤旗」

「従軍慰安婦」問題

米国内で批判続く

米政府 幕引き図るが


 【ワシントン=山崎伸治】安倍晋三首相が二十六日、初めて訪米し、ブッシュ大統領との首脳会談が二十七日、大統領別荘のキャンプデービッドで行われます。日米の「引き続き力強い協力関係」(ホワイトハウス)をアピールする狙いとは裏腹に、「従軍慰安婦」問題での首相の姿勢に対する米国内の批判は強いままです。

 安倍氏の訪米を発表した四日のホワイトハウス声明は、首脳会談の議題として「対テロ戦争やイラクでの進展、六カ国協議の次の方策、エネルギーと気候に関する諸政策」を指摘。米議会で日本政府に謝罪を求める決議案が審議されている「慰安婦」問題は取り上げられていません。

 両首脳は三日、電話で会談。ホワイトハウスによると「両首脳は慰安婦についても議論し、ブッシュ大統領は安倍首相に対して誠実さを評価し、今日の日本は第二次大戦時の日本ではないと指摘した」としています。

 「慰安婦」問題での安倍氏の立場に理解を示すことで、米国で懸念が広がっているこの問題について、米政府として幕引きを図り、首脳会談では取り上げないことを確認したものです。

 安倍氏は三月二十六日、日本共産党の吉川春子参院議員の追及に対し、元「慰安婦」の人たちに対する「おわび」は表明したものの、「強制はなかった」とする発言の撤回は拒否しました。

 米政府内には「日本が引き続きこの問題に対処し、犯した罪の重大さを認識するような率直で責任ある態度で対応することを望んでいる」(ケーシー米国務省副報道官)と指摘する声もあります。

 ブッシュ政権としては決着をつけたとしても、安倍氏の態度への批判は続いています。

 「慰安婦」問題で日本政府に公式な謝罪を求める下院決議(案)一二一は、採決が安倍氏の訪米後に持ち越されたものの、支持を表明する議員は増え続け、三月末で七十七人となりました。



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