2007年4月8日(日)「しんぶん赤旗」
女性産婦人科医
経験10年で半数がお産の現場離れる
学会調査
十年以上働いている女性産婦人科医のうち、半数はお産の現場を離れていることが、日本産科婦人科学会の調査でわかりました。子どもの数が多い医師ほど、その傾向が強くなっています。
調査は、全国の大学病院の産婦人科百五施設を対象に、昨年十二月から今年二月に実施したもの。八十七施設から回答がありました。
医師が勤務する病院・診療所がお産を扱う施設か、婦人科診療だけを扱う施設かを経験年数ごとにみると、女性の場合、五年目までは82%がお産を扱う施設でした。しかし、六―十年は61%、十一―十五年では52%に下がりました。最も少ないのは十一年目の45・6%でした。男性は、どの経験年数でも七割以上がお産を扱う施設に勤務しています。(グラフ)
子どもがいない女性医師のうち、お産を取り扱っている人は75%を超えました。一方、子どもが一人いると約50%、二人では約40%、三人以上では約35%と、子どもの数が多いほど、お産を扱わない医師が増えています。
院内保育所の有無とお産の取り扱いの関係をみると、子どもがいる女性医師のうち、院内保育所がある施設の人は六割以上がお産を扱っているのに対し、院内保育所がない施設の場合は五割未満にとどまりました。
同学会は「経験年数十年前後の、臨床医として充実した時期までに、約半数の女性医師が分娩(ぶんべん)の現場を離れていることが、全国的調査によって数値として明確になったのはこれが初めて」だと指摘。女性医師がお産の現場で働き続けられる環境づくりや、現場を離れた医師の復帰をどのようにすすめるか、検討する必要があるとしています。
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