2007年4月10日(火)「しんぶん赤旗」

夜を徹し座り込み

東京大気汚染原告ら 「謝罪と賠償を」

トヨタ前


 慢性呼吸器疾患で苦しめられている人たち六百三十三人が国と都、自動車メーカー七社を訴えた東京大気汚染公害裁判の原告・支援者が九日、東京都文京区のトヨタ自動車東京本社前で夜を徹しての座りこみ行動を始めました。十日までの予定です。ぜんそくなどで苦しい体をおして参加した人たちは「メーカーは空気を汚した責任を認め、謝罪と賠償を」と訴えました。

 座り込み行動は二月、三月に続き三度目。原告のうち百十二人がすでに死亡しています。同日夜、雨の中の行動では参加者が百十二本のろうそくをともし、亡くなった人たちが公害病で苦しめられてきた様子を語り、「トヨタは一刻も早く謝罪し償うべきです」と訴えました。

 原告団事務局長の石川牧子さん(50)は、発作で入退院を繰り返し、薬の副作用で幻覚が出るようになり、希望を失って幼い娘の手を引いて駅のホームから飛び込もうとしたことを話し、「こんな病気にさせたメーカーや国に対する怒りがこみ上げてくる。患者が自ら命を絶とうと思うようなことを許さないためにたたかいましょう」と呼びかけました。

 夫を肺気腫で亡くした女性(76)は「患者は生活を壊され、大変な思いをしています。メーカーは加害者として責任をとるべきです」と語りました。

 同裁判は一九九六年に第一次提訴。現在、東京高裁で和解協議中です。都が、国やメーカーの費用負担を盛り込んだ医療費助成案を示したのに対し、メーカー側は負担には応じるとしたものの、原告が求めている謝罪と賠償は拒否。国は謝罪・賠償にも費用負担にも応じていません。



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