2007年4月11日(水)「しんぶん赤旗」
違法派遣
是正指導中のフルキャストに
厚労省が業務委託
労働者派遣法で禁止されている警備や建設業務に派遣したとして事業改善命令を受けた人材派遣会社大手の「フルキャスト」に対し、厚生労働省が是正指導中に就職支援業務を委託したり、認定試験の指定業者に選定していたことが十日、明らかになりました。日本共産党の小池晃参院議員が同日の参院厚生労働委員会で取り上げたもの。
小池議員が追及 参院委
 （写真）質問する小池晃議員＝10日、参院厚生労働委 |
小池氏が「違反が摘発された企業やグループに委託や指定をしていいのか」と求めたのに対し、柳沢伯夫厚労相は「再検討しないといけない」と答弁。場合によっては委託や指定を見直す考えを表明しました。
フルキャストは昨年八月に厚労省神奈川労働局から是正指導を受けても是正せず、全国五十三支店でも違法派遣を行っていたとして今年三月、東京労働局が業務改善命令を出しました。
ところが東京労働局は今年一月五日契約で、子会社のフルキャストＨＲ総研に「求職活動支援セミナー」を業務委託。昨年十月にも職業能力開発局長が、「キャリア形成助成金」の対象となる「キャリア・コンサルタント能力評価試験」について、フルキャストＨＲ総研が行う「能力評価試験」をその試験に指定・更新していました。
これについて高橋満職業安定局長が「関連会社であり、適切に選定されている」と答えたのに対し、小池氏は「一体の会社であり、言い訳は通用しない。違反企業にさまざまな事業を委託して助成金が流れていくことは非常に問題だ」と批判。
「厳正にやっているというなら、委託企業が法令違反をやっていないか総点検すべきだ。違反が摘発された企業やグループ企業への委託や指定は見直すべきではないか｣とただしました｡
柳沢厚労相は「片方で改善命令で処分をしながら、片方で仕事を手伝ってもらっているのが適当かどうか再検討しなければならない」と答えました。
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