2007年4月12日(木)「しんぶん赤旗」
沖縄戦集団自決「軍の強制」削除
文科相が検定擁護
赤嶺議員追及
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伊吹文明文科相は十一日の衆院文部科学委員会で、二〇〇六年度高校日本史教科書検定で、沖縄戦時の「集団自決」をめぐり、「日本軍の強制」を削除する修正がおこなわれたことを擁護する態度を示しました。日本共産党の赤嶺政賢議員が追及しました。
文科省公表の検定結果では、例えば、「日本軍によって集団自決に追い込まれた住民もあった」の記述が、単に「自決した住民もいた」に修正させられています。
赤嶺氏がその根拠をただしたのにたいし、銭谷真美文科省初等中等教育局長は、「最近の著書」とともに、沖縄県座間味島の元守備隊長らが『沖縄ノート』の著者大江健三郎氏と岩波書店を相手におこなっている訴訟をあげました。
赤嶺氏は、訴訟は継続中であり、原告の証言さえおこなわれていないこと、さらに原告がこれを「冤罪(えんざい)訴訟」と宣伝し、文科省まで同じ表現で紹介していることを指摘し、「重大問題だ」と強調しました。
伊吹文科相は、「(冤罪の表現は)極めて不適切」としつつも、「検定は専門家による審議会がおこなっており、介入することはできない」などと答弁。赤嶺氏は、沖縄戦は本土防衛のための捨て石作戦であり、当時の沖縄守備の総指揮官が「生きて虜囚の辱めを受くることなく悠久の大義に生くべし」と軍命令を出していた事実も示し、「権限を持っていないからと、大臣が真実を隠すことは許されない」と厳しく批判しました。
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