2007年4月13日(金)「しんぶん赤旗」
改憲手続き法案 採決強行
自民・公明が世論無視
衆院委で笠井議員 徹底審議求め抗議
自民、公明の与党は十二日の衆院憲法調査特別委員会で、九条改憲の条件づくりである改憲手続き法案の採決を強行しました。法案の内容に対する質問に与党案提出者がまともに答弁できない状況の中、中山太郎委員長が予定されていた討論を職権で封殺し、採決を宣言。怒号と混乱のなかで、与党議員が「起立」、可決を主張しました。日本共産党の笠井亮議員は「これだけ重大な法案を審議も不十分なまま、国民の声を無視して、採決することは断じて許されない」と批判、強行採決に断固反対し、抗議しました。社民党、民主党も採決に反対、国民新党は途中退席しました。
国会前には朝早くから採決強行の動きに反対する市民団体、労働組合の人たちが多数集まり、委員会室にも、常時二百人を超える傍聴の人が詰めかけ、質疑の状況を見守りました。
笠井議員は採決に先立つ質疑で「ひたすら採決を急ぐのは安倍首相の改憲スケジュールに位置付けられたよこしまな狙いをもった法案だからだ」と強調。「審議は尽くした。安倍首相の改憲姿勢に、いささかも影響を受けていない」(自民党の保岡興治議員)と強弁する与党側に対し、各種世論調査も示して「国民自身が拙速だと思っている」と批判し、廃案を強く求めました。
民主党は採決に反対したものの、最後まで与党に「なぜ民主党案をそのままのみこめないのか」などと迫り、与党との「合作」ぶりを露呈。中山委員長からも「自民党と一緒にやってきた。きのうも深夜までうちあわせた」などと指摘されました。与党は十三日の衆院通過を狙っています。
日本共産党の志位和夫委員長は強行採決直後の記者会見で、「『拙速を避けて徹底審議を』という国民の大多数の声に耳を傾けず採決を強行した自民・公明の罪は重い」と厳しく抗議し、「参議院段階で廃案に追い込むために力を尽くしたい」と強調しました。
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