2007年4月16日(月)「しんぶん赤旗」

介護保険改悪で軽度者

ベッド利用 26万人減

「貸しはがし」全国で相次ぐ


厚労省まとめ

 昨年四月の介護保険制度改悪によって、介護ベッドや車いすなど福祉用具を利用する軽度(要支援1・2と要介護1)の高齢者が二十八万人減ったことが、厚生労働省のまとめでわかりました。なかでも介護ベッドの利用者は、二十六万人もの減少となっています。

 自民、公明、民主の各党が賛成した二〇〇五年の介護保険法改悪によって、軽度者は原則として介護ベッドや車いすなどの利用ができなくなりました。介護保険にかかる費用の抑制をねらったもので、軽度の高齢者から介護ベッドなどを取り上げる「貸しはがし」が全国で相次ぎました(昨年十月から本格実施)。

 厚労省によると、軽度の高齢者への福祉用具貸与にかかる費用(介護給付費)は、制度改悪前(〇五年十一月時点)の五十五億円から、改悪後(〇六年十一月)は十二億円となり、四十三億円減少しました。なかでも、介護ベッドの費用は三十五億円も減少しました。

 介護ベッドを利用する軽度の高齢者は、制度改悪前の二十七万四千人から改悪後は一万人まで激減。一方、要支援2以上の中・重度の利用者は、改悪前より五万二千人増えました。改悪前は、軽度者が利用者全体の約四割を占めていましたが、改悪後はわずか2%まで下がりました。

 車いすを利用する軽度の高齢者も、改悪前の十一万八千人から五万人へ、六万八千人も減りました。

 「貸しはがし」への不安と批判が高まるなか、厚労省は四月から介護ベッドなどの利用制限を一部緩和しました。しかし条件は引き続き厳しく、福祉用具取り上げの中止が強く求められています。

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