2007年4月18日(水)「しんぶん赤旗」
教育三法案
特定の価値観を強要
衆院審議入り 石井議員が廃案要求
安倍内閣が最重要法案の一つに掲げる教育三法案が、十七日の衆院本会議で、安倍晋三首相と関係閣僚が出席して趣旨説明が行われ、審議入りしました。三法案は学校教育法、地方教育行政法、教員免許法の各改定案。野党側は早期審議入りに反対しましたが、与党が多数で押しきったものです。
質問に立った日本共産党の石井郁子議員は、教育三法案が改悪教育基本法の具体化であり、憲法の保障する思想・良心の自由、教育の自主性・自律性をふみにじるものだと廃案を求めました。（質問の大要）
学校教育法改定案については、義務教育の目標に「我が国と郷土を愛する態度」など多くの徳目を盛り込んでいます。石井氏は、道徳を正式「教科」にする議論が進んでいることを指摘し、「特定の価値観が子どもたちに強制される」と批判。「子どもたちの規範意識の前に、ただすべきは安倍内閣だ」と強調しました。
また、「教育三法案が国の権限を強化し、教育の国家権力の介入を許す中身になっていることが重大だ」と指摘。地方教育行政法改定案で、文部科学相による教育委員会に対する「是正・改善」の指示・要求を新たに盛り込んだことや、私立学校に対する教育委員会の「指導・助言」を可能にしようとしていることを批判しました。
さらに、副校長、主幹教諭、指導教諭の職を置き、教員免許更新制を導入することは、「政府の教育方針を押しつけるための上意下達のピラミッド体制をつくるもの」であり、「教員を委縮させ、上ばかり見る教員にしてしまう」と反対しました。
市町村や学校名公表せず
学力テスト 石井議員に首相
二十四日実施の全国学力テストについて、十七日の衆院本会議で安倍晋三首相は「個々の市町村名や学校名を明らかにした結果の公表は行わない。学校間の序列や過度の競争を起こさないよう配慮する」と述べました。日本共産党の石井郁子議員に対する答弁。
石井氏は、全国学力テストで全国の学校と子どもたちが「序列化」され、児童・生徒の個人情報が受験産業ににぎられるとし、中止を求めました。
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