2007年4月18日(水)「しんぶん赤旗」
「慰安婦」問題
「歴史認識は未来と直結」
韓国大統領が英字論文誌に寄稿
韓国の盧武鉉大統領が同国の英字論文誌『グローバル・アジア』(東アジア財団)に寄稿した寄稿文「歴史、民族主義、東北アジア共同体」のうち、歴史問題での安倍政権の姿勢を批判した部分を紹介します。
(大統領府ホームページから)
私は、日本が自らの良識と合理的知恵で過去の歴史問題を前向きに解決すると信じた。故にこの問題を公式の議題や争点として提起しなかった。しかし、このような期待はかなわなかった。
特に日本の一部の主要政治指導者の態度から、歴史に対するわい曲が意図的に繰り返されるためだ。これは日本の未来のためにも残念なことだ。
一部では、私が日本との歴史問題を口実に、国内政治的に反射利益を得ようとしているという批判がある。これには決して同意できない。
指導者の徳目は、過去を直視し、誤った過去を明らかにして今日の教訓とするとともに未来を準備するところにあると考える。とりわけ歴史のわい曲は、反目と不信の悪循環をもたらし、私たち皆を不幸にする。
日本がこの間、見せてきた過去の歴史に対する反省の意をそのまま受け入れたとしても、それに相応する実践が伴わなければ、本当のものか疑われるのは当然だ。最近の日本軍慰安婦問題に対する一部指導層らの公然たる否認のように、この間の反省さえもひっくりかえす言行がどれほどわが国民の心を不快にしただろうか。米国をはじめとする国際社会が批判を提起しているのは、日本のこのような動きが人類の普遍的価値を否定するもので、未来を暗くするものだからだ。
私は日本との過去史の整理だけでなく私たち自身の過去史問題についても厳格な立場をとってきた。真の和解は歴史的真実の土台の上でだけ可能であり、歴史に対する私たちの認識は、私たちの未来、運命と直結しているためだ。過去史に対する反省のない歴史のわい曲は、排他的民族主義と国粋主義をもたらし、国と地域を紛争の渦に巻き込みうるものだ。半面、歴史に対する正しい理解は開かれた民族主義を可能にし、周辺国家と和合と協力の共感の土台をつくってくれるものだ。
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