2007年4月19日(木)「しんぶん赤旗」

工場閉鎖に歯止めを

高橋議員 雇用対策法案ただす


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(写真)質問する高橋千鶴子議員=18日、衆院厚生労働委

 雇用対策法改定法案の審議が始まった衆院厚生労働委員会で十八日、日本共産党の高橋千鶴子議員は宮城県の指定誘致企業でありながら、身勝手な工場閉鎖で二百人の労働者全員が解雇された自動車部品製造の「三陸ハーネス」の問題を取り上げ、大企業による労働力の使い捨てに歯止めが必要だ―とただしました。

 三陸ハーネスは赤字もない優良企業でしたが、住友電装の子会社が中国に移転するとして二〇〇六年一月、孫会社である同社の工場閉鎖を発表。地元の志津川町議会が全会一致で存続を求める決議を採択しましたが、九月に閉鎖を強行しました。

 「再就職の援助もしている」との厚労省の高橋満職業安定局長の答弁に、高橋氏は「会社の就職支援で再就職できたのは九人にすぎない。親会社は海外に生産拠点を移すと工場閉鎖しておいて下請け工場を岩手県内に八カ所も増設し、三十七人を求人している」と指摘しました。

 高橋氏は「地域雇用対策といいながら、他方で補助金や税制措置の優遇でもうけ、安上がりの労働力確保に乗り出す。その一方で勝手な撤退や閉鎖で失業を大量に生み出す。こうしたやり方に歯止めをかけるべきだ」と迫りました。

 柳沢伯夫厚労相は「同じ企業が再雇用するという計画では困る。経営上の判断の自由は確保しながら、そのなかで労働者の保護にあたっていく」と答えました。

 高橋氏はまた、政府案が「雇用対策基本計画」を廃止しようとしていることにふれ、財界の要請に雇用対策をあわせていくことになり、憲法二七条の国民の勤労権を保障できるのかと問いました。

 柳沢厚労相は、ときどきの経済計画はあっても、そのなかで「(雇用対策の)目標を追求していくこともある」と答えました。


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