2007年4月20日(金)「しんぶん赤旗」

「改憲手続き法案」

早期成立へ与党暴走

参院委 来週にも採決の危険


 自民、公明の与党は、二十六日からの安倍晋三首相の訪米を前に、九条改憲の条件づくりとなる改憲手続き法案の早期成立をねらって参院憲法調査特別委員会で連日審議を強行しています。衆院で週一回の審議だったのと比べても異常なスピード審議で、このままのペースでは来週半ばにも与党が参院での「目標審議時間」としてきた四十時間を突破するため、採決強行の危険が高まっています。

 憲法に直結する重要法案だけに、国民に審議内容が伝わり、議事録も精査して、十分かつ慎重な審議をつくすために、一定の間隔をおいて質疑を開催するのが当然です。最低投票率を求める声が八割を占めた世論調査に示されるように、まだ論点は尽くされていません。

 ところが、参院では、十六日の本会議で法案提出者の保岡興治衆院議員が参院の役割を否定する暴言をおこなって議事が混乱したにもかかわらず、与党側は翌日から「とにかく与党だけでも質疑させろ」と質疑を強行。その後も、「一日一日やっていくだけ」として、翌日の審議日程だけを協議する事態が続いています。

 与党理事は、法案の衆院通過前から「目標審議時間は四十時間」と明言。審議や採決日程の見通しなどの質問にも口を閉ざしたまま、参考人質疑や公聴会の開催にもいっさい触れません。

 こうした与党の姿勢は、慎重審議を求める地方議会や、「今国会での成立」をのぞまない圧倒的多数の国民世論に逆行しています。

 与党内には、「連休を過ぎたら参院では浮足立って審議どころではない」(衆院の自民党関係者)、「早く選挙活動に戻らないと大変だ」(参院の与党委員)などの声が出るなどの党利党略も見え隠れします。

 与党の横暴に対して、民主党は審議日程を受け入れ、同党委員からも「理解できない腰砕けだ」との声が出ています。日本共産党は「国民の総意をくみつくし、審議をつくすことが必要だ」(仁比聡平議員)と主張し、定例日での徹底審議、全都道府県での地方公聴会の開催、最低投票率での各国調査などを求めています。



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