2007年4月20日(金)「しんぶん赤旗」

けいざい?

消費税増税の本音出た

“選挙後に一気”狙い


  てぇへんだ、てぇへんだ。

 ご隠居 どうしたい。

  出た出た。

 ご隠居 何が出た。幽霊でも出たか。

  そうじゃねぇ。消費税だ。

 ご隠居 消費税がどうした。

  来年度の税制「改正」で、どうのこうの。

 ご隠居 ははあ、例の講演の話だな。自民党税制調査会の津島雄二会長の。消費税を含めて税制「改革」の「全体像を明らかにしたい」といったという。

  消費税を上げるということなのかい。

一回で済ます

 ご隠居 明言はしなかったようだが、“仮に引き上げる場合は、複数回ではなく一回で済ますべきだ”と、やる気まんまんだ。

  一回でというのはどういうことだ。

 ご隠居 日本経団連が現行5%の消費税を、まず7%に引き上げ、次に10%にという段階的な引き上げを提言しているからだ。

  するってぇと、いっぺんで10%に引き上げるってぇことか。

 ご隠居 そういうことになりかねないな。一万円の買い物をすると、いまだと五百円の消費税だ。それが千円になるということだ。

  おっと、こいつあ、落ちついちゃいられねぇ。三百万円の車を買ったら三十万円の消費税、四千万円の家を買ったら、えーっと、なんと四百万円の消費税かよ。

 ご隠居 おやおや、熊さん、新車と新築の家を買うつもりだったのかい。

  おいらに、そんな金あるわけないだろ。夢をみる分には金はいらねぇ。

 ご隠居 とにかく、消費税は1%引き上げると約二兆五千億円の税収増になる。5%引き上げると約十二兆五千億円の税収増だ。ということは、赤ちゃんからお年寄りまで、国民一人当たり年約十万円の増税になる計算だ。

  とんでもない大増税だ。どうしてもやるっていうんなら、選挙で問えってんだ。それが、筋ってぇもんだろ。

 ご隠居 ところがだ。

  なんだ。

 ご隠居 津島氏は、今夏の参院選の争点にすべきではないという。

  なんだと。

民主への誘い

 ご隠居 参院選が終わったら、野党はいっしょに議論しようと呼びかけた。まあ、民主党への誘いだな。

  おいおい、それはないだろ。税金を払うのは、おいらたち庶民だ。消費税は、自民党が全部払うってんなら、どうぞ、ご勝手にだが。

 ご隠居 選挙中はだんまり、選挙が終わったら消費税増税論議にまっしぐらというわけだ。

  自民党が争点にしないってんなら、おいらたちで争点にして、自民党におきゅうをすえてやらないと、ためにならねぇ。

 ご隠居 政府内には、消費税の増税を念頭に、消費税の配分をもっと地方に増やすべきだという議論や、フランス並みの少子化対策をするためには消費税3%分の引き上げが必要だという議論まであるという。

  「福祉のため」の次は「地方のため」「少子化対策のため」か。簡単にだまされてたまるかってんだ。「福祉のため」といって消費税が導入されて、福祉はよくなったか。悪くなっただけだ。

 ご隠居 これまでの消費税の税収分は、ほぼ法人税の減収分の穴埋めに消えてしまった計算だからな。日本経団連の御手洗冨士夫会長(キヤノン会長)は正直だ。法人税のいっそうの減税を求め、その財源として消費税率の引き上げを求めている。

  大企業減税のために、消費税を増税しろってことだな。こいつあ、参院選といわず、いっせい地方選でも、増税勢力にぎゃふんといわせないといけねぇな。で、どうすりゃいいんだ。

 ご隠居 増税に一貫して反対している政党、大企業からビタ一文もらわず財界にきっぱり物がいえる政党を伸ばすことだ。

  なーるほど。



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