2007年4月24日(火)「しんぶん赤旗」
ニューヨーク市が温室ガス30%削減
市長提言で2030年までに
独自策で車の「通行税」も
【ワシントン=鎌塚由美】アースデーの22日、ニューヨーク市のブルームバーグ市長(共和党)は市内で講演し、温室効果ガスの排出量を2030年までに30%削減することなどを盛り込んだ独自の環境対策を発表しました。アースデーは地球環境を守る国際的連帯行動の日とされています。
ブルームバーグ市長は、住環境、エネルギー、温暖化対策など百二十七項目の取り組みを打ち出しました。同市の人口(現在八百二十万人)が百万人増加すると見込まれる二〇三〇年をめどに、同市を「より持続可能な」都市にすることを目指すとしています。同市長は、地球温暖化は「科学的に存在する」と指摘。「議論するのをやめ、それに対処するときだ」と強調しました。
計画には、市内の大気汚染緩和策の一つとして「通行税」の導入も盛り込まれました。中心街のあるマンハッタン島で、週日の昼間を対象に、自家用車に八ドル(約九百五十円)、トラックに二十一ドル(約二千五百円)を課し、収益を公共交通システムの改善に当てるとしています。「通行税」計画については、州議会の承認が必要ですが、すでに反対の声を上げる議員もいます。
同市長は、市内商業施設を全面禁煙にしたり、市内レストランでのトランス油脂の使用を禁止(〇八年七月から)するなどの施策を打ち出してきたことから、環境対策でもイニシアチブを発揮したい意向。この日の演説では、同じく温暖化対策に力を入れるカリフォルニア州のシュワルツェネッガー知事や英国のブレア首相から激励のメッセージが寄せられました。
米国の環境団体「環境防衛」のフレッド・クルップ会長は同日、ブルームバーグ市長の環境対策を歓迎。「計画はすべてのニューヨーク市民に利益をもたらすだろう」と述べ、「市長は、地球温暖化対策で、政争を超えて、今すぐ行動するという地球規模の指導力を発揮している。子どもやその次の世代のために、連邦政府が市長の例に続くことを希望する」と語りました。
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