2007年4月25日(水)「しんぶん赤旗」
温暖化防止へ英企業が運動
有力8社 商品・情報など提供
【ロンドン=岡崎衆史】英国の八つの有力企業が二十三日、地球温暖化防止に向け、温室効果ガス削減に役立つ商品やサービス、情報を提供するキャンペーンを開始しました。英政府は同キャンペーンへの支持を表明しました。
運動を組織した非営利組織(NPO)「気候グループ」最高責任者のスティーブ・ハワード氏は、「運動の成功は、どれだけ多くの人々に私たちが影響を与えることができるかにかかっている。気候変動は人々が共同してこそ対応が可能だ」と主張。全国民と協力して温暖化防止を進めていく考えを示しました。
気候グループは、三年間で運動を英国の全家庭に広げ、各家庭が温室効果ガス一トン以上を削減することで、全国で二千五百万トンの削減を目指します。全国で削減される温室効果ガスはスコットランドとウェールズ地方の排出量を上回ります。
八企業のうち、スーパーマーケットチェーンのテスコは、省エネ電球を半額で消費者に提供、日曜大工用品チェーンのB&Qは屋根の断熱用品を半額にします。クレジットカード会社のバークレイカードは、税引き後の利益の半分を環境保護事業支援に充てます。ブリティッシュガスは、各家庭にエネルギー使用削減の情報を提供します。
ロンドン市内で二十三日に行われたキャンペーン開始イベントにはブレア英首相とミリバンド環境相がそろって参加しました。ブレア首相は、「個人、企業、国民が協力すれば、地球温暖化の脅威に対処し、私たちの生活と地球を守ることができる」と訴えました。
気候グループには、このほか、小売店チェーンのマークス・アンド・スペンサー、保険業のローヤル・サンアライアンス、衛星放送の英国スカイ放送(BSkyB)、携帯電話通信事業のO2が参加。さらに金融グループのHSBCなど二企業が今年中に運動に加わります。また、省エネ基金、全英消費者評議会、英国教会なども協賛しています。
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