2007年4月26日(木)「しんぶん赤旗」

高校生就職

正規も低賃金・労働過酷

日高教・私教連調査 派遣や請負が増加


 日本高等学校教職員組合(日高教)と全国私立学校教職員組合連合(全国私教連=いずれも全教加盟)は二十五日、二〇〇六年度高校生の就職決定実態調査(卒業時)のまとめを発表しました。

 それによると、就職決定率は92・0%で、昨年度に比べて0・8ポイント増えました。派遣や請負などの不安定求人が増加する一方、正規雇用であっても低賃金で過酷な労働条件の求人が多くなっているのが特徴です。

 就職決定者に占める不安定雇用の割合は4・0%です。派遣会社から求人票が大量送付されるなど、派遣や請負の雇用形態が新規高卒求人に入り込んできています。「偽装請負で問題になった企業の求人がある」(大阪)、「期間の定めのある雇用に十一人が就職した」(青森)などの声が寄せられています。

 正規雇用についても、「昼夜十二時間二交代勤務」(富山)、「正社員は時間外手当が頭打ち」(北海道)といった声があふれていました。

 卒業の時点で就職できなかった生徒や進学も就職もあきらめた生徒は、全卒業生の6・4%。家庭の経済格差が生徒の進路実現の大きな壁になっていて、経済的理由で進学から就職などへ進路変更したり、進学を選択肢に入れることができない生徒が増えています。

 就職決定率は、男子が女子より8・4ポイント高く、女子は不安定雇用の割合が高くなっています。定時制・通信制の就職決定率は70・3%、全日制普通科との比較で19・2ポイント、全日制職業科との比較で24・9ポイントと大きな差があります。障害児学校高等部の就職決定率は82・0%と平均より10ポイント低く、その半数は不安定雇用です。障害者自立支援制度の影響がみられ、一般就労や共同作業所への入所がままならずに進学も就職もできなかった生徒が全卒業生の64・0%を占めました。

 記者会見で日高教の藤田新一書記次長は、就職問題で自治体への要請・懇談や宣伝にとりくんできたと報告。「高校生・青年の雇用保障と人間らしく働くルール確立のために、正規雇用の求人・採用増で大企業が社会的責任を果たすこと、不安定雇用求人の規制、中小企業の雇用確保の条件整備と地域奨励策の拡充が必要だ」とのべました。

 調査の対象は、二十九道府県四百七十二校(公立・私立・障害児学校高等部)の卒業生八万二千八百四十五人、うち就職希望者は二万七千九百四人でした。



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