2007年4月26日(木)「しんぶん赤旗」
生活保護者の住居奪う
高橋議員 自宅担保に融資で追及
衆院委
日本共産党の高橋千鶴子衆院議員は二十五日、厚生労働委員会で質問に立ち、自宅を担保に生活保護での要保世帯向け長期生活支援資金(リバースモーゲージ)の一律適用は保護利用者から住居を奪う危険性があり、「個々の事情をふまえて判断できるよう運用すべきだ」とただしました。
高橋氏は、リバースモーゲージについての記事を見て、「家を取られてしまう」と泣きながら電話してきた生活保護受給者の声を紹介。「拒否した場合はどうなるのか」と質問。中村秀一社会援護局長は「生活保護受給者が拒否すれば保護は打ちきり、申請者は却下される」と答えました。
高橋氏は、この制度は「借りられるのは評価額の七割、さらに年3%程度の利子がつく。五百万円の資産では三百五十万円。月十万円を借りたとすると年百二十万円。借りたお金が評価額を超えると生活保護に戻されるわ家は取られるわでは踏んだりけったりだ」と強調。「これでは憲法二五条の精神どころか、福祉事務所は恐ろしい取り立て屋になる。このようなリバースモーゲージの一律適用は撤回すべきだ」とのべました。
柳沢伯夫厚労相は「重度の障害者の子どもが同居している場合は、住み続けられる従来どおりの扱いができるよう配慮する」と答弁しました。
リバースモーゲージ 要保護世帯、保護を利用しようとする世帯が評価額五百万円以上の居住用不動産を所有している場合、これを担保に七割までの範囲で生活保護基準の一・五倍相当の貸し付けで、死後不動産の処分によって返済する制度。三月の生活保護法の実施要領改定で厚労省が全国に通知、四月から実施されています。