2007年4月27日(金)「しんぶん赤旗」
生保業界
死亡率低下反映させず
高保険料で大もうけ 大門議員追及
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保険金不払いが大問題となっている生命保険業界で、生命保険料の算定基準を“お手盛り”で作成し、収益を異常に膨らませてきた実態がわかりました。日本共産党の大門実紀史議員が二十六日の参院財政金融委員会で明らかにしたものです。
生保の本業による利益である「基礎利益」は、想定死亡率と実際の死亡率との違いから生じる利益(死差益)をはじめ、利差益、費差益の「三大利源」が大半を占めます。なかでも、死差益は大手八社で異常な大きさになっています。(表)
問題なのは、想定死亡率を算定するため、ほぼ五年ごとに改定してきた「標準生命表」。一九九六年から「日本アクチュアリー会」が作成していますが、この十年間改定されてきませんでした。この間に死亡率は男性で12%、女性で18%低下しており、その分、保険料が高く、死差益も大きくなっています。
しかも、同「会」は、役員二十六人中、二人以外は、すべて保険・金融業界で独占しています。
大門氏は、これらの事実を示し、「これだけの死差益の拡大は、配当や責任準備金、保険料引き下げに使われるべきではないか」と指摘。不払い問題を生み出したのと同様に、身内だけでお手盛りの決定をする業界全体の経営体質にメスを入れることを求めました。
山本有二金融担当相は、「生保全体の経営体質に懸念を覚えている。そういう点を含めて議論をしていきたい」と答弁。「日本アクチュアリー会」についても「検討も必要」とのべました。
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