2007年4月27日(金)「しんぶん赤旗」
“環境に優しい”いうなら
トヨタは責任果たせ
原告が名古屋で訴え
東京大気汚染公害訴訟
自動車の排ガスで健康被害を受けたとして、国や都、自動車メーカーなどに損害賠償を求めている東京大気汚染公害訴訟の原告団や弁護団、支援者ら約五十人が二十六日、トヨタ自動車が入居する名古屋駅前の高層ビル「ミッドランドスクエア」(名古屋市中村区)周辺で、「大気汚染被害の責任を認め謝罪と賠償せよ」と早期解決を訴えました。
この裁判は、排ガスが原因で喘息(ぜんそく)、慢性気管支炎、肺気腫など健康被害を受けたとして都内の患者らが、国、都、首都高速道路、トヨタ自動車などメーカー七社を相手に損害賠償を求めているもの。
一九九六―二〇〇六年にかけ六次にわたり提訴し、原告は合計六百三十三人にのぼります。すでに百十二人が死亡しています。
一審の東京地裁は〇二年十月、判決でメーカーの法的責任は認めず、国、都などの加害責任を断罪しました。現在、東京高裁で和解協議中です。
原告らはマイクを握り、「十二年目になる裁判中、多くの原告が亡くなり私たちに残された時間はない。勝利を亡くなった人たちに報告したい」「たんやせきに悩まされ夜も寝られず、自分だけでなく家族も被害者だ」など、次つぎ訴えました。
慢性気管支炎を患い四十年になるという原告の男性(61)=北区=は、「謝罪と償いをさせるまで、死ぬまでたたかうのが私たちの思いです」と力を込めました。
原告団長の西順司さん(74)=北区=は、「“環境にやさしい”をキャッチフレーズに世界へ進出したトヨタは、世界の常識にたって、社会的責任を果たすべきだ」と言います。
行動には、愛知県の公害訴訟をたたかった原告・支援者など約三十人も参加。トヨタ自動車堤工場で二〇〇二年に過労死した男性(当時三十歳)の妻で、労災認定訴訟をたたかっている原告もあいさつに駆けつけました。
原告と支援者らは宣伝後、トヨタ自動車本社(豊田市)に申し入れにおもむきました。
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