2007年4月28日(土)「しんぶん赤旗」
ネットカフェ難民増大
食事はスープ もう2年近くいる
青年大集会実行委 政治に解決求める
「仕事をやめて二年近くネットカフェに住んでいる」「夜はいつも満席。スーツ姿の人が半分」―。懸命に働いてもアパート代さえ払えず、インターネットカフェで寝泊まりするため“ネットカフェ難民”と呼ばれ社会問題となっている青年の実態調査結果が二十七日、発表されました。
五月二十日に東京・明治公園で開く「全国青年大集会」実行委員会が行ったもの。東京、大阪、愛知、福岡など全国十九地域、三十四店舗前で八十四人と対話し、三十七人からアンケート回答が寄せられました。
東京都大田区の男性(24)は、アパート代が払えず二年間カフェ暮らし。午後四時にカフェを出て、翌日の午前六時に帰ってくる生活で、「仕事が不安定でいつ収入がなくなるか分からず、アパートを借りられない。年金も健康保険もない。同じように住んでいる人が三十人くらいいる」。
東京都渋谷区の二十代の男性は飲食店の正社員ですが、仕事が忙しくて午前八時から午後十一時まで働いており、家に帰ると寝る時間がなくなるため、週に六日はネットカフェに泊まり日曜日だけ帰ります。
「以前は金もうけを追求していたけど、いまは当たり前の生活ができることが幸せなんだと思うようになった」
「月収八万円。家に帰ると親に『なにしとったんや』といわれるので、ネットカフェによく泊まる」(奈良)など、フリーターなどで家庭や社会の中に居場所がもちにくいため、カフェ暮らしをしている人もいました。
店舗からの聞き取り調査では「常連さん」(長期滞在者)が増えており、全国に拡大していることも分かりました。
東京都内で記者会見した首都圏青年ユニオンの河添誠書記長と民青同盟の清沢達也副委員長は、「青年の貧困は予想以上に広がっている」と強調。「個人の努力だけで解決できる問題ではない。政治や行政が役割を果たすべきだ」とのべ、「五月二十日に開く集会では青年の切実な願いを集めて、解決を求めていきたい」とのべました。
利用者の声から
東京・蒲田 男性(24) 2年くらいずっといる。テレビ局で1日中働かされ、心も体も疲れて退職。収入が減り、アパートの契約更新のお金を貯金できなかった。仕事が不安定でアパートを借りようとは思えない。
同・30―40代の女性 3年間、ネットカフェ暮らし。週5日泊まり、週末はホテル。週3日ほどのパートと夜の仕事で、月収は9万円。
埼玉・大宮 男性(24) 出張でホテルがとれず泊まった。1日12時間働き、月約100時間残業をしているが、残業代は上限40時間までしか出ない。将来が不安。
奈良 20代の男性 手取り月8万円。食事は昨日からとってない。ネットカフェのドリンクやスープですます。
埼玉・蕨 男性(24) 週3回くらい泊まる。解体作業の手伝いなどをし週1、2回で月3万円。父子家庭。父はイライラしていることが多く家にいづらい。
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